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白ばら日記

親子のコミュニケーション講座・中1総合学習パネル・大学出張授業[上智大学]

冬の訪れを感じさせるような気温になってきました。   土曜は、1年PTA主催で恒例の親子のコミュニケーション講座を行いました。 久しぶりのリアル参加講座です。 私と、CPIの宇田川先生とのコラボで行いました。 NLPは私自身も学び、保護者の方にも紹介しているカウンセリングの手法です。中学時代は反抗期とも重なり、親子のコミュニケーションが難しくなるご家庭もあります。そんなときのヒントにと、ワークショップと講演を組み合わせて毎年実施しています。 『女の子の未来が輝く子育て』では、私が学んだ中で、効果があって本を読めば活用できると実感している手法を紹介しています。 現中2より、中1校外学習〜文化祭が新しい流れになっています。1年生は校外学習において、サステナブル ファーム&パーク「KURKKU FIELDS」(千葉県木更津市)に行きます。そこで様々な体験をして、まとめたものをプレゼンで共有、さらに内容を深めて文化祭で発表をします。これらの取り組みについて、本日、中等部校長の神谷がクルックフィールズの方とオンライン対談をするイベントが実施されます。中1の新たな取り組みを知っていただく良い機会かと思いますのでご紹介します。 SDGsで切り拓く探究学習の未来!「学校教育はいかにして社会と繋がるか」日程:2021年10月19日(火)18:00-19:30場所:オンライン(Zoom)参加費:無料https://kurkkufields.jp/news/5346/ 出張授業の続きです。担当の伊藤からの報告です。 「経済学で人間の安全保障?」 上智大学 青木研先生 上智大学の青木研先生より「経済学で人間の安全保障?」をテーマにお話しいただきました。 まずそれぞれ「経済学」のイメージ「安全保障」のイメージを思い浮かべさせた後、一般的な「経済学」として株価の動きや需要供給曲線のお話と貧困や戦争、難民のお話がありました。それぞれの学問の主なトピックを理解したところで、2つの学問がどのように繋がるか?と問いかけてくださいましたが、生徒はまだまだピンときていない様子でした。 そこで経済界と感染症対策との両立に苦しんでいる現状などにも触れながら、医療資源や分配のお話を各国の状況などの数字も具体的に示し、また、わかりやすい例を用いながらお話しいただいたところ、「経済学」と「安全保障」が繋がり、興味関心を高めていました。医療資源に関連してワクチンも話題に出してくださり、いまの情勢にも深く関係する事柄だということで、とても勉強になったようです。 Zoomを通しての講義でしたが、問いかけをしてくださって生徒に挙手を促したり、顔のあがりかたを確認しながら話題を振ってくださったりとご配慮も厚く、充実した時間となりました。青木先生、どうもありがとうございました。

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保護者会・植栽・文化祭レポート・大学出張授業

土曜は4,5年生の保護者会がありました。午前中には、4年生のPTA主催で高等部校長の権藤と、この3月に卒業した子達の親御さんが対談し、受験期の子供と親のコミュニケーションについて語るオンラインの会もありました。   先日は私も5年生のPTA主催のオンライン講演会で、生徒の未来に関係しそうな最新の社会状況や親のサポートの仕方についてお話ししました。学校で実施する時より多くの方が参加なさいました。 お仕事やご家庭の事情による制約が少なく参加しやすいことがオンラインのメリットであり、一方、クラス別の会などでは、気楽なコミュニケーションや個別の情報交換がしやすいリアルの場のメリットも捨てがたく、このハイブリッドの形は今後も活用できそうです。 先日の文化祭もお招きできなかったお客様や、時間の制限のあったご家族のため、展示内容や、クラブ発表、起業体験IRレポートなどがHPに掲載されています。力作なので、是非、ご覧ください。   さて、緊急事態宣言があけてほっとしたのもつかの間、先週は地震で生徒の登校にもかなり影響が出ました。自宅で棚から落ちたガラス器の掃除をしつつ、日頃から 備えることの大切さを痛感しました。 先週は、1年生が学校前の歩道の植栽をしてくれました。近所の方に、楽しませてもらってますよと声をかけていただいたそうです。 私たちの学校は、関東大震災の際に女性達が避難所を運営したことが創立の要因の一つになっています。こうした小さな活動の積み重ねが、いざというときの助け合いにつながっていくのだなと改めて感じています。 さて、大学出張授業の続きをご紹介します。担当の植草のレポートです。  【国文学】 駒澤大学文学部国文学科の中嶋真也先生による講義でした。 まず、文学部の国文学科や日本文学科ではどのようなことを研究するのか、自分が行きたい大学はどのよう な基準で選べば良いのかなどのお話を、中嶋先生の出身大学や駒澤大学を例にしながらお話くださいました。 大学の先生の視点での進路のアドバイスは新鮮だったようで、楽しそうに聞いていました。  続いて、『万葉集』の歌についての模擬講義では、高校の授業で学んでいる文法知識を、 文学研究に生かす体験をしました。すべての手がかりがつながり、 最後に歌の意味が細かいところまでわかるようになると、より奥深さを感じることができたようです。  授業の最後には、高校生におすすめの古典文学作品などもご紹介いただき、大変有意義な時間となりました。  

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緊急事態宣言の延長・お知らせ

8月20日に緊急事態宣言延長への対応について、 保護者の皆様にご連絡をいたしました。 中等部の校長ブログでもお伝えしていますが、 感染対策をさらに強化しつつ、 できる限り生徒のリアルな学びを確保していく方針です。 本校は、安全の確保が最優先との考えから、 全国的に見てもいち早くオンライン授業を実施しました。 一方、 アンケートなどで検証も行い、 学校という人が集う場での学びの意義も強く再認識しました。 リアルな教育活動を制限すればするほど、 長期的に見て非認知能力など失うものが少なくありません。 これは、過去の調査でも明らかです。( 学校の休校が将来的に負のインパクトをもたら すというデータなど) 生徒の一年は二度と戻ってきません。 感染対策としてできる限りのことはし、リスクを最小限にしたうえで 、 リアルの方が教育効果の高いことはなるべくリアルでやっていきた い。そのためには、 私たち一人一人が、その場その場で行動していかなければな りません。 各ご家庭、 一人一人の生徒にはそれぞれの事情があります。私自身も昨年、 二回の手術をし、 コロナの影響でその後の治療を受けられないという経験をしました。そして、置かれた状況によって、感じ方、考え方が変わることを自ら実感しました。100%相手に合わせることが難しくても、互いの思いに寄り添いつつ、 みんなの力を合わせてこの難局を乗り越えていきましょう。 *ダイヤモンドオンラインのインタビューの最終回が掲載されました。本校の取り組む、リアルな場に集うからこその教育プログラムについても触れています。 第3回記事 『女の子が幸せになる「学校の育て方」』   *おおたとしまささんから、『正解がない時代の親たちへ 名門校の先生たちからのアドバイス[エッセンシャル版]』をいただきました。84,98ページにインタビュー掲載されています。 のちほど、図書室に入れておきます。 *私が委員を務めている日本ユネスコが加盟70周年を記念し、 以下の取り組みを行っています。SDGsをテーマにした取り組みが多いので、シェアします。 1)「ユネスコ未来共創ダイアログ」日時:8月30日(月)18:30~20:00方法:オンライン(ZOOM)テーマ:「国際平和のため、 私たちは世代や立場を超えた協働で何ができるか」登壇予定者(五十音順):内田一士 広島ユネスコ協会平和・世界遺産部会長黒崎伸子 医師/国境なき医師団日本・元会長/長崎SDGsクラブ副代表小巻亜矢 サンリオエンターテイメント代表取締役/(一社) SDGsプラットフォーム代表理事西野月 杉並ユネスコ協会青年部/立教大学1年平山英恵 長崎純心大学2年/Green Peaces( 交流会やパンフレット制作など様々なアプローチで長崎と平和を伝 える活動をしている学生団体)メンバー丸川大慈 広島県立広島高校2年/HIP HOPE[Hiroshima International Peace for HOPE]: 広島の高校生による平和に関する探究や発信のためのプロジェクト 実行委員会メンバー詳細・申込先:https://unesco-sdgs. mext.go.jp/archives/2187 2)「次世代ユネスコ国内委員会(仮称)」 メンバーの公募公募締切:9月13日(月)募集対象:原則30歳未満で次のいずれかを満たす者。・ユネスコ活動(世界遺産、無形文化遺産、ユネスコエコパーク、 ユネスコ世界ジオパーク、ユネスコ創造都市ネットワーク、 世界の記憶等のユネスコ登録事業を通じた取組、 ESDの活動含む)に関わっている者。・ SDGs達成への取組に関わっている者や青少年活動に参画してい る者で、ユネスコに興味のある者。詳細・申込先:https://www.mext.go.jp/unesco/ 002/index_00001_01_00001.htm 3)日本のユネスコ加盟70周年記念番組の放送放送日時:9月3日(金)、9月24日(金)18時~18時半放送局:BS朝日政府広報オンライン 「宇賀なつみのそこ教えて!」https://www.gov-online.go.jp/ pr/media/tv/soko_oshiete/ index.html 4)ユネスコ未来共創プラットフォームポータルサイトユネスコ未来共創プラットフォームポータルサイト:https: //unesco-sdgs.mext.go.jp/

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卒業生の便り・高校と社会をつなぐ研究セミナー・ダイヤモンドオンライン2回目

卒業生から元担任にこんな近況報告がきました。 全世界で3600以上の店舗を持つ、アパレルのグローバル企業で最年少で店長になった子です。女性はなかなかオファーを受けないと言われていますが、自分で手を挙げたそうです。 選ばれた理由は?と聞いたところ、「他の候補の人は○○ができないという話をするが、私は○○ができますと話した」と言っていて、これも品女DNA?と思わず笑ってしまいました。中高時代に身につけた資質能力が大人になってからの土台になるといううのが長年教員をしてきた私の印象です。(後輩のためになりそうなので、本人に許可をもらって抜粋、一部説明を加えて紹介します) ----- 7月から静岡県の浜松にきました。 人生初めての政令指定都市の暮らしです。 長野にはなかったウーバーイーツを遅ればせながら体験しました。 今回の異動では新店店長に大抜擢され(笑) 9/17のオープンにむけて人生で1番か2番に忙しい日々を送ってま す。 (ちなみにどっちが忙しいかの順番で迷うのは企業コラボのプレゼン前) チェーン店ではありますが、 うちの会社は個店経営を大事にしています。 地域に愛されるお店を作るために、 来て一週間の浜松を理解するべく歴史から勉強してます。 また、 販促物作成のためにみかん農園に電話してみたり普段店舗ではなか なかやらない業務が多くバタバタ… でもなんかこの感じ覚えがあるなぁ…と思ったら 完全に文化祭でした。 よその会社に電話してやりたいことを伝えて協業してもらう感覚、 久々に思い出しました。 まだまだコロナ特に東京は大変かと思いますが、 店舗としても個人としても稼ぎまくって税金払って、 社会経済回せるように頑張ります 。 9月に開ける店は年商10億が目標です 在校生へのメッセージ(今、制約の多い中、文化祭準備をしている在校生に一言ちょうだいとお願いしました) 在校生にアドバイスは、 思いついたアイディアややりたいことは失敗を恐れずとにかくやっ てみてほしいということです。 挑戦の過程でどうやればうまくいくか考えて、 考え尽くした結果で沢山失敗してみてください! 若いうちに失敗させてもらったことが品女で得た私の経験です。 文化祭のときめちゃくちゃ可愛いミラーを作って優勝だ!!! と思っていたけど利益率考えられていなかったり、 次の年は利益率を考えすぎてサービスの観点が抜けていたり… 社長として必死になるあまり社員(同級生) の気持ちを考えられておらずワンマン経営になっていたり…でも考えて挑戦し失敗した経験があるからこそいまそれを踏まえて今も新しい挑戦や関わり方が出来ています。 失敗するのが怖くて発言できない、 行動できない人が沢山いる中で挑戦できる人材というのは強みになると思います。 コロナ禍という難しい中で、 立候補された皆さんの挑戦心より応援しています!!!   *社会と学校をつなぐ教育セミナーで講演、パネルに参加します。今,高校IR(学校におけるデータ活用)のパイロット校としてご指導いただいている、桐蔭学園理事長(元京大教授)の溝上慎一先生からお声がけいただきました。 このセミナーで報告される研究は、2013年から行っている大規模調査です。高校2年生からの10年の成長を追った結果、高校時の資質能力はその後大きくは変化しないなどの結果が得られています。これは、中高時代に様々な体験をし、力を蓄えておくことが社会につながる大切な土台になることを示し、28プロジェクトに大きな示唆を与えるものです。文化祭準備日なので、私はその合間にオンラインで参加します。在校生、教員は忙しいと思いますが、どなたでもオンラインで参加できる無料セミナーなので、保護者、卒業生の皆様、お時間のある方は是非、ご参加ください。 <実施概要>【日 時】 2021年9月18日(土)14:00~16:40【形 態】 オンライン「Zoomウェビナー」【参加費】 無料【登壇者】 溝上 慎一 先生(学校法人桐蔭学園 理事長)      柏木 智子 先生(立命館大学 教授)        漆 紫穂子 【申込締切】 2021年9月6日(月)23:59 ※定員300名に達し次第締め切り【申込方法】 下記イベント情報ページより       https://be-a-learner.com/even t/trans_2021/ ‎問い合わせ先 be-a-learner@kawai-juku.ac.jp ダイヤモンドオンラインのインタビューの続きが掲載されました。 第2回記事 『社会で活躍する女性の共通点、「品川女子学院」理事長が語る』

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最近の行事

緊急事態宣言が出て、校内も対応に追われています。それ以前の行事を中心に、最近の生徒の様子をお伝えします。 安全対策を第一に、その上で、すべてを中止する前に、生徒の学びを止めない工夫をするのが私たちの方針です。 とはいえ、若年層への広がりが懸念される昨今、ルールも見直し、細心の注意を払って過ごすよう、仕組みを作り、生徒達にも呼びかけています。 予測できないことが多く、ご家庭ごとに事情も違い、いろいろな考え方もあろう中、ご協力いただいているご家庭、品川ファミリーの皆様に心から感謝します。   *校外学習 こちらは、先月です。 【1年生】 宿泊行事ができなかった去年、様々な工夫を凝らして作ったプログラムです。それを今年にバトンタッチすることができました。制約が多いからこそ生まれるものもあるんだなぁと教えられました。 初めての校外学習は千葉県木更津にあるKURKKU FIELDSへ行ってきました。大自然の中で、各クラスがSDGsに関するテーマを決め、テーマに沿った体験をさせていただきました。 【2年生】 「日本を知る」をテーマに、茨城県つくばみらい市で、藁細工作りと田植えを体験してきました。浴衣の着付けなど、できないことも多い中、この日は、のびのびと体験をしてこられたようです。 【3年生】   ディズニーリゾートへ行ってきました。事前に創業時からこの施設を知る方にリモートで講演をしていただきました。生徒が自分なりに課題を見つけ、キャストの皆様に取材をさせていただきました。   【4年生】   4年生もディズニーリゾートへ 修学旅行でできるはずだった外国人との交流の機会を少しでも補うため、外国人バディと一緒に周って会話を楽しむ、という企画付きです。 【5年生】 最後の校外学習は、ミュージアムパーク茨城県自然博物館と清水公園へ行ってきました。ミュージアムパーク茨城県自然博物館ではたくさんの展示物に触れ、清水公園ではアスレチックや公園散策などを楽しんでいたようです。 *大学入試説明会 6年はすっかり受験モード。   各大学からお越しいただき、大学入試説明会が行われました。 それぞれの進路に向けて準備を進めています。 本校は、28プロジェクトの影響で進路がバラエティーに富むことが特徴です。 同志社大学の河村先生よりサイン本をいただきました。図書室に入れます。 -実務家のための-刑法概説  難しい本ですが、刑法の概要が分かるので、法学部志望者にオススメです。   *オープンキャンパス コロナ禍で、感染対策をした上で、人数を制限して行いました。6年間を過ごし、未来の土台を作る中高を通う本人に見ていただく機会をなんとか作りたいという思いで、教職員、生徒、みんなで企画、運営をしました。 ミニ説明会 生徒による模擬授業 化学部 箏曲部 28project生徒プレゼン 校長によるミニ説明会 ダンス部 インターアクトクラブ *小笠原流礼法講演 体験学習に制約がかかる中、今年も1年生に向けて、~礼法を活かして幸せな空間をつくりましょう~というテーマに講演をしていただきました。 ご宗家がそのときの様子を公式ブログで紹介してくださいましたので、ご紹介します。小笠原 敬承斎公式ブログ

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芸術鑑賞・留学生・CBL・早稲田会議

      学校の近所で見つけた花です。 夕暮れの空にふわふわした妖精のように浮かんでいてきれいだった ので、ネムノキかな~、でも色がピンクじゃないし・・・と、 調べてみました。   カリアンドラ・ポルトリケンシスという花でした。 ネムノキに似ているので、シロバナネムノキと呼ばれているけれど 、種類は違うとのこと。花に見える白いものはおしべだそうです。 先週は、感染対策に配慮しつつ芸術鑑賞を実施することができま した。今年は劇団四季のミュージカルでした。中等部はアラジン、 高等部はキャッツへ。感染対策に静かな観劇でしたが、演者と観客とスタッフみんなが協力する一体感を感じました。 *アメリカから来日していた留学生のソラさんが帰国します。ソラさんの最後のスピーチの様子が国際交流ブログに掲載されてい ます。国際交流が困難な状況になっていますが、一日も早く、 本校生徒も海外の生徒も自由に行き来して互いに学べる日が戻って くることを願います。 *昨年度CBL学年代表の活動内容( 子宮頸がんの早期発見と予防について)が、コアネット教育研究所の会員誌『FORWARD』 第68号に掲載されることになりました。ご許可をいただき、誌面を共有します。 会員誌『FORWARD』 第68号 (1.66MB) このチームが、8月21日22日に開催される子宮頸がんの高校生向けイベント(ハッカソン) のインプットセクションゲストとして、プレゼンを行うことになりました。高校生アイディアフェス#仲間と一緒に考える子宮頸がん *先日、第12回早稲田会議に出席しました。6月24日(木)日経新聞朝刊 全国版28面に記事が掲載される予定です。

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朝礼・empathyと日本文化

先週は中等部、今朝は高等部の朝礼をオンラインでやりました。高等部校長の権藤から、企業や大学のミッションの話、個人の哲学の話がありました。 「握った拳では握手できない」非暴力のことですね。 以前、緒方さんにお目にかかる機会があり、「 中高生が将来のため身につけておくべき力は何ですか?」 と伺ったところ、一言、「エンパシー」 とおっしゃったことが思い出されました。 empathyは、日本語の同情と近いニュアンスのsympathyと違い、自分と違う考え方や価値観を持っている他者の立場に立って、状況や感情を理解することだそうです。そして、他者の立場に立つためには、自分を理解しておくことも必要です。 先日、日本文化の研究をしているJef Berglundさんの講演を聴き、このエンパシーの話と共通することがあるなと感じたので、(私の理解ですが)印象に残ったことをシェアします。 他者を理解する際の順番として、以下があり、他者(他文化)に対する違和感は大切で、学びのきっかけとなる。 1、 Observe(意識を働かせて見る)2、 Borrow( 他者の目を借りて見る)3、 Integrate(統合する事で受容の「器」が広くなる) (本校で「もめ事は大事」と言っているのも、それが、自分と違う考え方とぶつかり、伝え合い、統合していく過程だからだなと再認識しました。) また、欧米が「発信者責任文化」であるのに対し、日本は「受信者責任文化」で、日本人は受信力が強く、相手の気持ちを読み取ってコミ ュニケーションするともおっしゃっていました。 もちろん個人差はありますが、こうした文化を私たちが背景に持つとしたら、これを認識して活かしていきたいです。 本校で取り組んでいるデザイン思考にも、このエンパシーを知的に働かせ、一つのスキルとして高めていくとトレーニングが含まれています。

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着物文化の講演・お父さんの会・SBIPアカデミー・お知らせ

緊急事態宣言下、 感染対策をしつつ生徒の学びを止めないよう工夫しながら授業や行 事を進めています。     これは、2年生の企業コラボの一環でお借りして設置しているアルコール消毒の大型ディスペンサー。   感染対策をしての講演   こちらは、着物文化の講演です。例年、 和の授業でこのあと浴衣着付けを数時間行いますが、 ソーシャルディスタンスが取りにくいのと、学校の浴衣を複数のクラスに連続で貸すことが 衛生管理上難しいため、実施できず残念です。 反物の長さを実感します   生徒は熱心に聞いてました。 和装小物も持ってきてくださいました。 帯結びのお話です。 和傘の説明と使い方の実演 以下のような感想がありました。 ・着物はエコで、SDGsに関連すると知った。・着るだけで日本のアイデンティティを表すことができるので、 海外でも着たい。・祖母が着物を着るので、今日の話をしたい。・ねずこの着物の「麻の葉」の意味がわかって、 着物の柄には理由があると知った。   保護者会もほとんどZoomになっていますが、 新入生のお父さんが初参加となるお父さんの会は、 人数を制限して実施しました。 *SBIPアカデミーのお知らせ 例年本校で行っているSBIP(中高生の課題解決アイディアプレゼン)で、このたび、オンラインでのフォローアップのプログラムを作りました。 起業家・企業人からマンツーマンでのプランに対するアドバイスの時間のほか、課題解決に大事な仮説思考やプロジェクトマネジメントの方法など、世界を変えるプロジェクトを動かすために大切なことを学ぶ講義もあります。また、5ヶ月でプロジェクトを加速させるための計画・目標も立てます。是非、参加を! ホームページ:https://academy.sbplatform.jp/※エントリー締切:6月21日(月)23:59 *以前、企業コラボでお世話になったミナケアさんがワクチンのアプリを開発しました。今後、不活性なワクチンがあった際や、予測していなかった副作用が出たような場合も、活用できるもので、官邸のHPでも紹介されています。こうしてみんなで力を合わせて、1日も早く生徒達の活気ある日常が戻ってくることを願います。→https://www.fnn.jp/articles/- /190040

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課題解決型学習での生徒の気づき

今,教育改革が進む中で、教育手法も変化いています。従来の一斉教授型から、個人ワークとグループワークを組み合わせた「個別と協働」型の授業、また、教えられた正解を記憶するような授業から、自ら課題を見つけ、解決法を考え行動するような「課題解決学習」など。 テクノロジーの進化で、AIにできることが増える中、これまでの蓄積がないような新たな課題に向き合うとき、人間ならではの力が発揮されます。未来社会の変化に備えて、そんな力と志を育てていきたいと思っています。 これまで行ってきた企業コラボや起業体験などもその一つです。さらに、ここ数年は家庭科の授業の中でチャレンジベースドラーニングとよぶ、身近な課題を発見して解決のアクションを起こす授業に取り組んでいます。生徒のチームには、家庭科の教員だけでなく、ボランティアで手を挙げた多様な教科の教員がメンターとしてつきます。 昨年度の取り組みが、記事になりましたので、ご紹介します。 「子宮頸がんについてもっと多くの人に知ってほしい。品川女子学院から始まった「子宮頸がんかるた」プロジェクト」(私学妙案研究所News) 「課題解決型学習から得られるものは何か 品川女子学院「子宮頸がんかるた」プロジェクトで見えたもの」   生徒達の気づきをシェアします。以前、生徒に「恵まれすぎていて社会課題が分からない」と言われたことがありますが、このプログラムの中で、課題に気づき、考えを深め、チームで動く力が育まれていることが分かります。 ・今まではグループで何か活動をするときも大体中心メンバーがいて、他の人は何もしないというような ことが多かったが、CBLは全員がちゃんと動かないと終わらないので、全員で協力できた。今までやっ てきたグループ作業より楽しくて、やれる人がやればいい、から、全員でやる方が楽しいという考え方 になった。 ・CBLは正解がないから、自分たちで考えるしかなくて、色々実験などを考えるのが楽しかった。将来会 社に就職したくないと思っていたけど、こういうことが出来るならありだと思った。 ・今までいつも人の意見を聞いて「確かに!」ということばかりだったが、人の意見を聞いて自分の思っ たことについて発言してみたり、自分の意見について考えられるようになった。また、今まで何かを真 面目に一生懸命やることが、やらなくちゃいけないこと以外にはなかなかなくて、自分から「もっとや ろう!」って気になることが新鮮だった。 ・前は、資料の分析や考えることが苦手だった。考えるのも嫌だった。今は、わかりやすく”伝える”こと の大切さを知った。ただ、誰かの文をそのままコピーするのではなく、自分の言葉で伝えることがいい のだと思った。 ・自分がこんなにも普段から身近で行われていることに対して疑問や関心を持っていないことに驚いた。 CBLを通して、1つの社会問題がどんなに小さなことだとしても、問題を解決しようと自分でアクショ ンを起こすことの大変さや重大さを学びました。 ・自分が少し行動したからといって何も変わらないと今までは感じていたことも、実際に身近な品女生の 歩数が伸びているのをみて、思っていたよりも1人1人の私自身の行動が大切だと知れた。 ・今まで自分が品女で培ってきた経験の多くを生かすこともでき、まだ未熟な点が多くあることに高校生 の今から気がつくことができた。 ・十人十色は言葉の通りで、同じ歳で同じ学校に通っていても、ものの考え方や”この人はこんなところに アンテナはっているのか!”というようないい意味での驚き、刺激があり、以前よりも自分と違う考え方 をする人に寛容になれた気がする。 ・グループで話し合いを作っていく中では、メンバーの多様性が大切だなと実感した。今までは自分と仲 が良い、同じような性格の人たちが集まって作業した方が楽だと思っていたが、今回色々なタイプの人 が集まり、役割分担や話し合いがうまく調和したなと感じた。 ・普段関わりのない人と関わって、問題を解決しようとするために話し合い、外部の人や知らなかったこ とを多く知ることができたので、新しいことを知る楽しさを再確認できた。 ・問題の解決策を生み出すだけではなく、それを実行し、ダメだったところを改善することで、より良い 解決策を見つけることができるんだとわかった。 ・CBLを始める前は日常で多々ある困ったことや問題点などをどうにかしたいけど自分の力じゃ無理だと 思っていたが、行動を起こせば変わると思えるようになった。 ・(緊急事態宣言の閉校期間)zoomで授業を受けたり、先生が作って下さった動画をみて勉強することがほとんどで、友達とも話すことがなく、必要最低限しか外に出なかったので、親としか話していない中でのCBLの授業で友達と話し合うのは新鮮でとてもよかった。友達と他愛ない話をするのは学校生活の中で大切なのだと気付かされた。 ・初めて身近な問題を解決しようとプランをたてて、解決策を実際に実行してみるということをして、エ ピソード集め(身近な問題集め)の段階から身近には今まで気がついていないだけで、解決すべき問題 がたくさんあるんだと思いました。また、CBL期間中は1つの問題を長期的に解決していくということ を通して、1つの物事を改善にもっていく難しさ、解決策をみんなに積極的にやってもらう難しさを感 じました。全体を通して、長く大変だったけど、班員と協力して楽しく、やりがいのある問題に取り組 めました。 ・次の話し合いまで3日しかなかったため、お風呂に入っている時も考えていた結果、急にアイディアが 浮かんできて、でもそのアイディアにもまだまだ穴があって、だけど一度考えてみたものだし、提案し ようと重い提案してみました。普段からあまり自分の考えていることを外に発せないので、変に思われ たらどうしようと思いながら提案したのですが、ある1人の班員が「いいと思う!」と言ってくれた時 にお世辞でも嬉しく、自信のないものだったけど認めてもらえたような気がしてとても嬉しくなったの を覚えています。そのアイディアから改良を加え、解決策になり、最後にはみんなに使ってもらえてさ らにプレゼンも形にできたのがとても嬉しかったです。この経験を通して、私も人に積極的に「いい ね!」を言える人になりたいと思いました。 ・自分の意見をしっかり伝えるのと同時に、相手の意見をしっかり聞くことが大事ということがわかりま した。これは当たり前のことだと思いますが、とても難しいことだと気がつきました。自分と違う意見 を否定するのではなく、なぜそういう考えになったのかを考えることによって、相手の意見の良さがわ かり、お互いがお互いの意見の良さがわかるので、より良い意見が見つかることが分かりました。 正直人と協力してやるより一人で頑張る方がいいと思っていたが、「一人では絶対できなかったな」 「メンバーがいてくれてよかった」と感じることが本当によかった。 ・CBLを通して、仲間との関係の重要さがわかった。ありがとう、お疲れ様を欠かさず言うと全員が心地 よく進めることができた。 ・こういう風に一から十まで自分たちでこんなに深く細かく1つのことを調べ上げるなんてなかなかな い。意見を1つ立証するにもたくさんの根拠や数字が必要なのだと知り、偏った意見はもう持てない なぁと思った。 ・多数決で決めたほうが早く決定できるが、時間がかかっても全員の納得会を話し合うことで、全員が責 任をもって取り組めた。最終的にはこの方法が効率がよかった。 ・CBLの活動を通して、大きな課題・問題であっても、身近な部分から自分たちがアクションを起こせ ば、解決策が見えてきて、またさらにアクションを起こしたくなる。そんな気持ちが芽生えました。こ れから大学生になっても、社会人になってもこの気持ちを忘れず、チャレンジして学ぶ心を育て続けた いと思いました。 ・自分はリーダー気質だと思ってたけど、実際はそんなことなくて、多くの人に支えられながら、自分ら しさを発揮できることを知った。上に立つのではなく、協力して進めることが私は得意なことに気がつ いた。 ・「得意な分野で貢献し、苦手な分野は任せる」ことが体得できた。それが許されることで、チームのた めになるのだと理解することができた。チーム内の雰囲気を明るく、正直なことを言える場にしておく ことで、個々の得意分野を心地よく生かせると気づいた。チームのために何か作業をしてあまりしんど いと思わなかったのは初めてに近く、自分自身の新しい発見だった。 ・社会の色々な問題について目がいくようになった。そして、その問題をどのように解決すれば良いのか も考えるようになった。既存の解決策も、もっとこうすればいいのにという観点で見れるようになっ た。 ・ただ問題だなと思うだけではダメなことに気付かされた。問題と言っても細かくみて、どの部分が原因 であるかを考え、またそれに対してどのように解決するか、生半可な気持ちでできないなと思った。 日々些細なことでも、何が原因なんだろうと考えられるようになりました!! ・仕事の役割分担や、同じ役割の人との情報共有がしっかりできていなかったため、個人の仕事量に大き な差ができてしまった。これらを解消するためには、それぞれの仕事の内容や進捗状況を逐一報告し合 うべきだったと思う。 ・みんなで話して意見を出すことがあまり得意なほうではなかったが、1人での作業とは違った見方や策 を出すことができ、楽しさもあり、グループならではの苦労もありながら、グループワークを好きにな れた。 ・テーマから全て自分たちのやりたいことを自由にできて、サポートも手厚かったため、心から”変えた い”と思いながら熱心にできることを見つけた。自分でもその気づきから行動し、何かを変えることがで きると自信がついた。 ・ただ意見をいうだけでなく客観的な立場から言うよう心がけたり、反対意見を言う時には代替案を提案 するようにした。 ・班がピリピリしているときに意見だけ言ことはダメだと再確認した。 ・途中色々迷ったり、テーマと少し違うことを調べたりしていたので、テーマの一貫性が足りなかったと 思う。しつこいほどテーマの再確認をして、解決策に導いた方がよかったと思った。 ・メンバーと半年間やっていく難しさ。皆モチベーションが下がる時もあるので、その時にいかに話に参 加させるかや仕事の振り方で作業効率が上がるか等のことが難しくためになった。 ・話がつまってしまっている時は明るく雑談に話を進めたり、班内で仕事量に差ができないように均等に 割り振って互いに信頼と責任を持たせて仕事ふることが出来た。 ・夏休みなど学校がないときの予定表を作り共有した。また、その予定表通りに進められるようにメン ターの先生と連絡をとったり、CBLの班のslackで「◯◯日に◯◯やる」や「記録シートに各自が書いて おいてほしいこと」などを送ることで誰かが忘れることを防いだ。 ・誰かがやるからいいやではなくて、自分からもっと積極的に動こうと思った。 ・話すだけじゃなくて、相手のことも聞かないと良い話し合いはできないんだとわかりました。 ・今誰が何をしていて、期限がいつまでなのかなどを、slackなどで定期的に流した方が互いに安心できる と思う。互いの進捗状況がわからないと、自分だけ重いタスクを任されているんじゃないかと不満を感 じることもあると思うので… ・記録シートに仕事内容ややるべきことを書いていたが、認識の違い、仕事内容の勘違いが起きてしま い、班の雰囲気が悪くなってしまった時、記録係の延長としてその日のうちに話し合った内容と、次に 誰がいつまでに何をやるかを簡潔にまとめたものをグループのLINEに送り、すぐ見れるようにして、勘 違いを防ぐことを提案し、実行した。それ以降勘違いは起きなかった。 ・1人の意見がしっかりしていれば進むと思っていたけれど、みんなの納得できる1つの案の方がうまく進 むと気がつきました。 ・改めて諦めないことの大切さを感じた。本当に考えて頑張ったものは達成感も大きく、ようやく達成感 を感じることができた気がする。どんなに大変でも感謝すること、人に頼ってもいいんだなと思った。 「班長だから自分が一番にやる」という場面と、「全体を見て最後にまとめる」という2つの役割をそ の時の状況を見極めて担うようにした。 ・自分はそうじゃないと思っていたことを誰かが言った時に、頭ごなしに否定するのではなくて、1回受 け止めて自分の中で消化してから、肯定・否定の意見を言えるようになった。 こうした気づきを読んでいて、また、卒業生の調査から、本校の様々なプロジェクトが社会で生きる力を育んでいることを確信し、さらに磨きをかけていきたいと思っています。そして、この学びを中断してしまう記憶型の大学入試が一日も早く変わることを願って提言の場でもこうした事例をまじえて、常に発言しています。その甲斐あって、検討する場が設けられ、具体的な動きも出てきました。子供達の未来から逆算し、将来社会に貢献できるような力を中高時代につけられるよう、これからも、このような取り組みを進めていきます。

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