PRODUCED BY 品川女子学院
白ばら日記

社会課題の解決に一歩踏み出すために

本校では、生徒たちが社会課題を見つけ、解決の一歩を踏み出す力をつけてくれるようにとプロジェクト学習を行っています。 今週も、「ゴミを削減するため、みんなにmy箸、myスプーンを持参して校内の売店での割り箸などの提供が減るようにしたい」と呼びかけがありました。(私も両方、持ってきてます) 今は、授業のカリキュラムの中で全員がそれぞれの課題に取り組んでいますが、これまでも、文化祭の起業体験から活動を継続するためにNPOを作ったり、それより以前には、内戦のあった国に、数年がかりで学校を建設したりしてきました。 あるとき、中等部の子に、私たちは女性✕若者でマイノリティーがかけ算になると言われたことがありますが、だからこそ、それが社会課題に共感し、行動に移す原動力にもなっているのかなと感じます。 他にも最近こんな活動をしている子達がいます。 女性特有の身体の問題を男性にも共有しようと男子校に参加を呼びかけてワークショップを行っているチーム。 朝日新聞EduA 男子校で「生理」の授業 「他文化との接触」の機会に 本郷×品川女子学院 女性が被害に遭いやすい問題として、痴漢防止の取り組みをしているチーム。 TBS NEWS DIG 「“ハート”+“トレイン”で電車内の痴漢反対  品女の生徒がポスター制作」 そして、受験生の間も活動を続け、その課題を解決するために医療系に進路を選択した卒業生もいます。 日経新聞「大学生、社会課題に熱視線 ワクチンの知識を広げる 中高の放課後学習づくりも」(有料会員限定ですがテーマのご紹介まで) 一昨日、日本のジェンダーギャップをなくそうと、活動している大学院生の能條桃子さんと、彼女を応援したいと思っている数人の友人知人とで話をしました。能條さんは私が所属している令和臨調の最年少メンバーでもあるのですが、以前、生徒が校内で彼女の講演会を企画したいと言ってきて、てっきり、先方主催のものに参加するのかと思っていたら、その子が彼女の出演番組をみて皆にシェアしたいと団体のHPからアクセスし、開催をお願いしたのだそうです。 世界に類を見ない人口減少社会の日本において、その人口の半分を占める女性の活躍支援は、社会の継続発展に不可欠です。 「なぜいまも女子校を続けているの?」と、よく聞かれます。 私たちの学校は、女性に参政権のなかった大正時代に女子にも教育を、と創立しました。そして、100年近くたった今も、日本のジェンダーギャップは解消していません。私たちは、この課題に向き合い、社会をよりよく変える一歩を踏み出す女性を育てる中等教育の場として、これからも力を尽くしていきたいと思います。 能條さんのプロジェクトを私も応援しています。→【FIFTYS PROJECT】地方選挙から20代30代女性政治家を増やしたい! <お知らせ> *先日アールシーコア(BESS)常務取締役谷さんと対談をした様子が記事になりました。写真の奥に見えているのが被服部がブランディアと廃棄衣料のアップサイクルに取り組んで作成した浴衣です。 キャリアの遠回りも悪くない? 人生迷子の20代が夢をかなえるために知っておきたいこと【「働き女子が輝くために」レポート】 *早稲田大学稲門祭にて、教育をテーマとしたパネルディスカッションに参加いたします。 日にち:10月23日(日)パネルディスカッションは、12:00~です。場所:早稲田大学 大隈講堂 大講堂企画紹介はこちら 高校生も予約不要で参加できるそうです。

READ MORE
白ばら日記

早稲田大学 高大接続授業・アメリカ新一世の会

  今朝、学校前の信号を渡ったところで、「どうやって直すのかわかんな~い!」という叫びが。 小学生の女の子です。強風で傘がおちょこになってしまい、泣きそうになっています。片手で直してあげようとしたのですが難しく、いったん、五号館の屋根の下に荷物を置いて、いっしょに直しました。 ペコリと頭を下げて、「ありがとうございます」と。まだ3年生くらいでしょうか。ちょっとしたことですが、こうして丁寧に挨拶されると、微笑ましく私も幸せな気持ちになりました。 うちの生徒も、登下校時にいろいろな方とすれ違い、お世話になること、ご迷惑をおかけすることもあると思います。そうしたとき、この子のように、「ありがとう」「すみません」がさっと出てくると相手の方だけでなく、それを見ている周りの方々の一日も爽やかにすることができるのだなぁと、思いました。   *本校は早稲田大学と高大連携をしています。今年の高大接続授業の様子を担当の住谷から報告します。 本校では、毎年早稲田大学の先生にご協力をいただき、 高大接続授業を行なっています。今回は4・5年生の希望者18名が、文学部教授・李成市先生の「 東アジアから日本史を考える」を受講しました。 古代、日本は中国から多くの文物を取り入れてきた、 と一般的には言われていますが、 例えば漢字については朝鮮半島を経由した際、 一度アレンジが加えられた上で日本に入ったため、 実は高句麗由来や百済由来の字が存在するのだそうです。 また、日本と朝鮮半島、 中国の間には類似した歴史を持つ時期があり、 例えば7世紀半ばの大化の改新の頃、 お隣新羅でも同様の改革が始まっていたり、 唐の都長安を模した都が日本や朝鮮にも造られたこと、 日本のハ色の姓と新羅の骨品制との類似性などが取り上げられまし た。 さらに6世紀末から8世紀にかけて日本には多くの女帝が即位した 時期がありましたが、 その時期やはり新羅でも女性の大王が即位し、 中国でも史上唯一の女帝となった則天武后が登場していました。こういった事実を見ていくと、その国単体では見えてこなかった、 気づかなかったことが、 近隣の歴史と並べてみることで多くの気づきを持つことができます 。Zoom越しではありましたが、先生の「 歴史はその国単体だけではなく近隣とのつながりから見ていくこと で、より多くのことに気づきを得ていくことができる」「 歴史はただ古いことを覚えていくのではなく、 仮説を立てて検証していくことで新事実が見えてくる」「 東アジア世界は2000年にわたり政治や文化などを共有してきた 地域であり、現在の諸問題を解決するには中国、朝鮮半島、日本、 そしてベトナムを含めた東アジアというまとまりで捉えることが大 切である」というメッセージが、 生徒にはすごく共感できたようで、 書いてもらった感想にはさらに歴史を興味をもって学んでいきたい という思いが書き込まれていました。 個人的にも李先生のお話を直接伺ってみたいという思いが実現した こともあり、感激もひとしおでした。李先生、教務部の方々、 本当にありがとうございました。 *二週連続で、アメリカに渡り、様々な分野で活躍している日本人「新一世の会」の方と生徒をオンラインでつなぐ特別講座を行いました。 これは、私がお世話になっている方からのご紹介で、米日カウンシルのメンバーの新一世の方々から、「日本の若者に貢献したい」というありがたいお話をいただき、神谷校長のファシリテーションで行ったものです。 とにかく、お話が面白く、アメリカで日本人がどう生きていったのか、その体当たりのエピソードに生徒達は興味津々でした。 こうした機会を活用し、コロナ禍で海外に出る機会が少ない中でも、生徒の学びを広げていきたいと思っています。 * 日経xwoman(ARIA) に大学院でのリカレント教育について聞かれたインタビュー記事が 掲載されました。

READ MORE
白ばら日記

秋の空・大学出張授業【早稲田大学】・ユネスコ

秋は空がきれいです。以前、遠州流茶道のお家元が「 秋は月がきれいと誰かが教えてあげないと子供はそれに気づかない 」とおっしゃっていました。対談が『女の子が幸せになる授業』 に。 日本には四季があり、それを愛でる文化があることを知ることで、 日々の生活が少し豊かになり、 その積み重ねは生徒達のこれからの人生を大きく変えるのではないでしょうか。 そんな思いで和の授業もやっています。 *出張授業の続きです、担当の名越から報告です。 経済学の視点で経営を学ぶ~早稲田大学商学学術院 谷口みゆき先生~ 今回谷口先生からは、生徒たちにとってわかりにくい経営学という学問を、公共部門(例:大学病院や公立ホールでのコンサート)を通して教えていただきました。 とても興味深かった点は、民間企業はあくまで自己の利益を追求するのに経営学を用いるのに対し、公共部門ではあくまで社会全体の利益を追求するという言葉でした。 また、経営という言葉は、様々な学問分野から成り立っていて、経済学・マーケティング・会計学・社会学・心理学と様々に横断するので、いろいろな事から学ぶことができると言う点も面白かったです。 谷口先生は、「経営学は高等数学で習ったものを全て使っていく学問だから、数学を生かして学問してみたいと言う方にとっては経営学は面白い道です」という言葉は、生徒に響いたようでした。 そして、大学での学問選びの参考にと、経済学の専門家から見た、経営学・会計学・経済学・マーケティングの違いを丁寧に教えていただき、経営学は企業の効果的な運営の方法について考える、会計学は企業のお金のやりくりについて考え、財務を分析する、経済学は企業が社会全体に与える影響を考え、効率的な社会の実現を目指す、マーケティングは企業の商品の売り方を考える、という谷口先生の説明で生徒に教えていたたことは、後のアンケートをみると進路を考える上でよい参考になったようです。 *私が委員をやっているユネスコ国内委員会からのお知らせです。ESD(持続可能な開発のための教育) の表彰式がオンラインで見られますので、 SDGsに関係する教育プログラムの実践例として参考になると思 います。令和3年11月19日(金)21時30分~23時00分 事前登録不要 → http://webcast.unesco.org/ events/2021-11-ESD-Prize/(画面下部のJPボタンを押すと、日本語同時通訳が流れます。)

READ MORE