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白ばら日記

朝礼・芸術鑑賞・STEAM教育

文科省から新たな指針も出て、久しぶりに朝礼が復活しました。中等部校長の神谷からは、集まることの意義という話もありました。   オンライン朝礼のとき、校長の話の中で生徒にインタビューして情報共有するという企画をやっていましたが、リアルの場でも。 コロナ禍は、これまで当たり前にしていたことの「なぜ」を問い直す機会にもなりました。 こんな本も読み直しました。『集まる場所が必要だ――孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学』 全校での芸術鑑賞も行いました。 『パシフィックフィルハーモニア東京』 ・J.ウィリアムズ作曲:「スターウォーズ組曲」より メインテーマ ・ショパン作曲:ピアノ協奏曲 第1番 ホ単調 作品11 ・ムソルグスキー作曲:ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」 指揮は飯森範親さん。以前の芸術鑑賞のとき、本校オーケストラの指導をしていただき、生徒も舞台で共演するという貴重な体験をしました。今回はコロナ禍でそこまではできませんでしたが、「指導に伺いますよ」とうれしいお話も! *6月24日(金)日経新聞朝刊30面~32面に、私が参加した早稲田会議の記事が掲載予定です。 *先日私がパネルに参加した「STEAM人材教育研究会」の動画が公開されました。 また、7/1の会は「デザイン」と教育がテーマです。デザイン思考をやっている本校の参考になりそうなので、教員にシェアしました。申込み先:URLよりzoomウェビナー登録 *卒業生向け。2022年は日本とインドが国交を樹立して70周年記念の年。未来に向けて両国の関係を更に深めていくために、 次世代を担う若者同士のつながりをつくることを目的としたプ ログラムをご紹介します。 日印国交樹立70周年記念 900km横断課題体感型アイデアソン *「ポストコロナ時代の「教育」のグランドデザイン」というテーマで、小島武仁さん(東京大学経済学部 教授)、小林りんさん(学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン 代表理事)、長崎幸太郎さん(山梨県知事)、西内啓さん(株式会社データビークル 最高製品責任者) と行ったパネルディスカッションの様子が公開されました。

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お父さんの会、卒業生の活動、お知らせ

先日、山梨県知事とパネルディスカッションをし、その後、教育関係のことでやりとりしていたところ、県の教育委員会の方から、 うれしい連絡をいただきました。卒業生がIT企業の教育関連部門で県と関わり活躍しているというお話でした。 文化祭の実行委員長だったそうですよといわれ、なるほどねぇと思わず笑ってしまいました。多くの卒業生を送り、卒業後の様子を見聞きしていると、中高の何が彼女たちの未来に活きているのかがだんだんとわかってきます。しかし、それも主観に過ぎないので、最近はアンケートをとることもしました。卒業生の活動やデータがフィードバックされ、後輩の財産となっていくのも長く続いた私学だからこその恵みなのでしょう。 こちらは、この3月に卒業した大学一年生の活動です。在学中CBL(Challenge Based Learning    身近な問題を発見し、 解決策を実践につなげるプロジェクト学習) で子宮頸がんの予防活動に取り組んでいました。今は、医療系に進学し活動を今も継続しています。この週末に以下のイベントを実施するそうです。ご興味のある大学生(女性)は是非! 【大学生のための産婦人科ツアー】 日時:6月12日(日)13:30〜15:00場所:THIRD CLINIC GINZA対象:女子大学生費用:無料イベント内容:院内見学・受診の方法・三輪先生講義・ 子宮頸がん講義主催:Lumierehttps://twitter.com/Lumiere_ press/status/ 1530882063016271872 本校がこうして生徒の卒業後の未来を見つめ、「中高では初」というような取り組みにもチャレンジできている背景には、保護者のみなさんの理解協力があります。 土曜には、久しぶりにリアルで「お父さんの会」が開催されました。オンラインでしか活動できていない低学年の親御さんが参加し、先輩お父さんから、会の趣旨や活動の話がありました。登山部などユニフォームで登場している方もいました。 弁当部(娘の弁当を作って写真をアップ)、送迎部(遅刻しそうな娘を送って後ろ姿をそっと撮る)などもあるそうなのですが、私がいると緊張するかな?と思って挨拶のあとはひっこみました。 芸術領域で活躍している卒業生もいます。芸大を卒業後、長く画家として活動している板倉暚さんの展覧会が開催されます。 校内のいろいろなところに飾ってあるこの絵は板倉さんからの後輩への寄 付です。(写真は校長室にある校花、薔薇の絵です) ・日時:2022年6月9日(木)~15日(水)    11:00AM~6:00PM(会期中無休・最終日5:00PMまで)・場所:ギャルリー・コパンダール    東京都中央区京橋2-7-5京二小林ビル1F *このような特徴ある取り組みの背景など、これまでの品女のことをラジオ番組でお話ししました。グロービス経営大学院学長の堀義人さんのラジオ番組にです。私がこの学校に来た頃の学校改革の話や28プロジェクトの話、リカレントで何を学んだかなど幅広く話しています。 【堀義人が聞く リーダーの挑戦】番組紹介:堀義人が尊敬する「各界のリーダー」をゲストとして迎え、5つのキーワードから、その方の人生哲学を解き明かしていきます。 ・前編:6月4日(土)18:30〜 19:00放送予定・後編:6月11日(土)18:30〜 19:00放送予定※茨城放送ですが、 茨城県と関東地方の一部の地域で聴くことができます。 放送後1週間はradikoで聴取可能です。( 今週土曜日まで前編が視聴可能です) *在学中の起業体験プログラムが土台となって、0から1を作るような活動をしている卒業生の話もしばしば耳に入ってくるようになりました。そんな卒業生にお勧めしたいセミナーです。 議題:4つのキーワードから見るシリコンバレー成功の秘密スピーカー:石田 一統(VIAプログラム エグゼクティブディレクター)コメンテータ:佐分利 応貴(RIETI国際・広報ディレクター / 経済産業省大臣官房参事)モデレータ:木戸 冬子(RIETIコンサルティングフェロー / 東京大学大学院経済学研究科 特任研究員 / 国立情報学研究所研究戦略室 特任助教 / 日本経済研究センター 特任研究員 / 法政大学イノベーションマネジメントセンター 客員研究員)使用言語:日本語 講演概要Google、Facebook/Meta、Apple などが本社を構えるIT のメッカとしてよく知られ、 様々な業界のデジタルトランスフォメーションを牽引していると言 えるシリコンバレー。 この地域で生まれるイノベーションや起業精神に魅了される人は多 いが、その成功の秘密を4つのキーワードを通して見ていきます。 また、コロナ禍の影響を紹介し、 ポストコロナの課題についても考察します。 ※本セミナーは一般公開しております。 日時:2022年6月15日(水) 12:15-13:15開催方法:オンライン開催(Live 配信)参加費:無料申込みはこちら※申込み締め切りは6/14まで

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いけばなの授業・お知らせ

  昨年12月に行った、いけばなの授業の様子です。 初回は、草月流大久保先生の講演とデモンストレーションです。     先生の講演の後は、実習です。これを2回行いました。   同じ葉っぱも工夫次第で全く違った様子になります。   一本の花と一枚の葉で、こんなに素敵に。 器も自作です。   最終日はクラスの一人一人が一本ずつ活けていきます。   できあがった作品です。   テキストは『女の子が幸せになる授業』(小学館) いけばなの授業のあと、こんなコメントを聞くことがあります。「通学路が楽しくなった。道ばたの雑草の花に目がとまったり、 葉の色が少しずつ変化するのが楽しみになったり・・・」親御さんからは「学校で活けた花を持ち帰り、 水を替えたり水切りをしたりして大事にしてくれて、 家族で長く楽しんでいる」など。 学校での体験は、ほんの数時間です。 興味を持って翌日からの毎日に変化の起きる子もいれば、すぐに忘れてしまう子もいます。それでも、0と1は大きく違います。 今はつまらなそうにしている子の心の中にもそれは深く沈み、いつか大人になったとき、その「1」 がよみがえってくることもあるのです。こんなふうに。「留学先で 花を活けたら、フラワーアレンジと違って一本で形になるとびっくりされて、それをきっかけに家族と親しくなれた」「夏祭りに自分で浴衣を着ていったら好きな子に褒められた」「会社でお茶会に誘われたとき、 お茶やお菓子のいただき方を身体が覚えていたので気後れしないで 参加できた」そこから、お稽古を再開する子もいて、 次にやりたいと思ったときのハードルが低くなることも未来のライ フスタイルへの影響の一つのようです。 *さて、こうして長い間、 品女生を送り出してきた東棟が校舎建て替えにともない解体されま す。OGを対象に名残を惜しむ会を開催します。日時:7月2日(土)15時~17時(1時間入れ替え制)詳細はこちら

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日本文化の授業を行う理由

「秋は月が綺麗、と誰かが教えてあげないと子供はそれに気づかない」本校で茶道を教えていただいている遠州流のお家元がおっしゃった言葉が心に残っています。 初夏だったら何でしょうか? 日本には四季があり、自然を愛でる文化がある。それに気づくことで日々目に入るものが変わり、暮らし方も変化する。世界の中で働く未来、自分の生まれ育った国の文化をほこりを持って語れる人になってほしい。 生徒の将来が少しでも豊かになるように、そんなきっかけをと思い、本校では日本文化の授業を実施しています。 1年生は小笠原流ご宗家の礼法講演、2年生は着物の文化の講演を聴くことになっています。 テキストには『女の子が幸せになる授業』(小学館)を使っています。これは、茶道のお家元、礼法のご宗家をはじめ、ご指導くださる方々と私の対談も盛り込んだ貴重な一冊です。大人にとっても今更聞けないマナーや文化的背景を知るものになるはずです。ご家族も是非、手に取っていただければと思います。 これは昨年度の茶道の授業の様子です。コロナ禍で実習が難しくなる中、感染対策の工夫をして、なんとか生徒の学びを止めないように続けています。 ◆第1回・挨拶の仕方・畳の歩き方・床の間の拝見の仕方・お茶の飲み方 ◆第2回・和菓子について・第1回で学んだことの実践 生徒の楽しみにしているお菓子は和三盆糖 ◆第3回・箸の扱い方・第1回で学んだことの実践 この日のお菓子はうさぎ饅頭 ◆第4回・まず自国の文化を知るべき →「日本」という国を誇りを持って語れること・型・所作の奥には人を思いやる心がある・茶道を通して、心のあり方を学んでいる ・第1回で学んだことの実践  最終日のお菓子は、学校の花、薔薇の練り切り *東京大学からお知らせ「東大工学部のリアル。~CREATE THE FUTURE@安田講堂」開催2022年6月5日(日) 14:00-16:40  安田講堂 および オンライン配信 申し込みはこちらから参加申込締切 : 5 月 20 日 ( 金 ) → 5 月 27 日 ( 金 )へ延長高等部生徒は安田講堂に入れるチャンス!中等部生、 保護者もオンラインは見られます。

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震災から11年・女子教育について・お知らせ

震災から11年が経ちました。あの日、肩を寄せ合って学校で不安な一夜を過ごした生徒達も社会人になっています。東京にいると、遠い日のように感じがちですが、私は夫が福島出身で、家族も親族もそちらに住んでいるので、里帰りするたびに環境や生活が元に戻っていないことを実感します。同じ国の中で今も苦しい思いをしている方がいることを忘れず、できることをし、共にありたいと思っています。 この思いは国を超えても同様です。ウクライナ侵攻に対して、私の所属している団体でも以下のようなメッセージを発信しました。 エンジン01文化戦略会議 今日から生徒の有志が、募金活動を始めています。以下がメッセージです。 「私たちは毎日のようにニュースになっている、現在のウクライナの状況を受け、何か自分たちにできることはないかと思い、ウクライナの人々への募金に協力することにしました。 品女で集まった募金は難民を助ける会に寄付をして難民として逃れた女性や子どもの支援に役立てていただく予定です。」 日時:3月11日(金)12日(土)朝(7:50〜) 場所:東棟玄関     生徒のメッセージに、「難民として逃れた女性や子どもの支援に」という言葉がありました。3月8日は、国際女性デーでした。まだまだ女性の活躍の場は男性に比べて少なく、危機に際しても立場の弱さが不利に働いたり、危険にさらされたりすることも少なくありません。 私たちの学校は、96年前、女性に参政権がなかった時代に女性が力を合わせて創立した学校です。創立者は繰り返し繰り返し、「感恩報謝、自分に何かできるチャンスが巡ってきたら逃げずに受けて必ず社会 へお返ししなさい」と言っていました。こうした思いが今の生徒へと受け継がれていることを誇りに思います。 女性の就労率は上がっているというものの、非正規雇用は男性の三倍、コロナ禍で最初に食を失うのも、こうした女性達です。本校でも講演をしてもらったことのある、山田メユミさんが、以下のようなプロジェクトを始めました。お母さんが笑顔でいることは子どもにとってのプレゼントです。私も応援しています。経済的困難下の女性たちに化粧品で笑顔になれる母の日を届けたい!   昨日は、普連土学園、田園調布学園、本校の3校で合同説明会をしました。女性活躍の指標であるジェンダーギャップ指数120位という日本において、女子の中等教育の果たすべき役割は大きいです。以下はこれに関連してお知らせです。 ■□■□東京大学工学部 国際女性デー特別企画のご案内 ■□■□3月13日(日)  16:00-17:15 オンライン開催「女性の工学キャリア促進:東大教員と女子中高生のパネル討論」事前視聴申込みURL(視聴無料) 東京大学工学部で国際女性デーの特別企画として、行われるセッションです。「接続可能な明日に向けて:ジェンダー平等をいま」 プログラム:1. 開会挨拶 (染谷 隆夫 東京大学工学部長) 2. 東京大学大学院工学系研究科の教員、学生による講演  (参考) 所 千晴 教授 (システム創成学専攻)  (参考) 菊地 由佳 特任講師 (社会基盤学専攻)  (参考) 高倉 眞優子 博士学生 (化学生命工学専攻) 3. 女子中高生を交えたパネル討論  モデレーター 瀧口 友里奈 氏 (経済キャスター、東大工学部アドバイザリーボード・メンバー)  女性の工学進学についてどう思うのか、 女子中高生、東大工学系教員・学生の意見交換。 *STEAM人材教育研究会 今、日本のSTEAM人材不足、特に女性人材の不足が社会問題の一つになっています。大手テクノロジー系企業が集まって、これを支援しようと東京大学生産技術研究所と一緒に「学びのイノベーション・プラットフォーム」を立ち上げました。「STEAM人材教育研究会」のパネルに私も参加しますので、ご案内します。別紙QRコード、またはURLよりzoomウェビナー登録をして、ご参加ください。 日時:2022年3月30日(水) 13:00 - 15:00形式:オンラインzoomウェビナー開催主催:一般社団法人学びのイノベーション・プラットフォーム協力:東京大学生産技術研究所司会:岡部 徹 (東京大学生産技術研究所長) ■パネルディスカッション  テーマ:「未来の人材」新田 八朗 (富山県知事)「幸せ人口1000万〜ウェルビーイング先進地域、富山〜」清川 卓二 (清川メッキ工業株式会社 専務取締役・元福井商工会議所青年部会長)「新時代のキャリア教育 ~学校と地域の連携・協働~」馬田 隆明(東京大学FoundXディレクター)「すべての人のためのアントレプレナーシップ教育」漆 紫穂子(品川女子学院理事長)「未来から逆算した中等教育に必要な校外との連携」藤井 輝夫(東京大学総長)「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成」 ◆お申込み先:別紙QRコード、またはURLよりzoomウェビナー登録をしてお申し込みください。 *ソニーコンピューターサイエンス研究所オンラインオープンハウス 本校から歩いて行けるところにあるソニーコンピュータサイエンス研究所がオンラインでオープンハウスを開催するそうです。私はリアル参加したことがあるのですが、この研究所は研究員が様々な分野の方で、かなり面白いです。理系、テクノロジー系だけでなくそれと何かを掛け合わせるなど幅広い分野での発表になると思います。以下が案内です。卒業式前後の日程で教員の参加が難しいのですが、問い合わせたところ、中高生も参加できるそうです。以下が案内です。 ソニーコンピュータサイエンス研究所がオンラインでオープンハウスを開催します。3日間にわたり、ソニーCSLの研究員が現在どのような研究を行っているのか、どのような未来を創っていこう、どのように世の中を変えようとしているか、外部の方もお招きしながらそれぞれに1時間程度のセッションを行う予定です。各セッションごとに、QAパートも設けております。ソニーCSLの研究成果や活動を、社会に還元、あるいは社会実装できるかをご参加いただく皆様と議論させていただくと共に、志を一にする方々と新たなアクションを始める重要な機会であると考えております。 【ソニーコンピュータサイエンス研究所 オープンハウス2022】2022年3月16日(水) 12:00~20:002022年3月17日(木) 12:00~20:002022年3月18日(金) 14:00~20:00 場所 オンライン開催 プログラム詳細・ご参加登録はこちらをご覧くださいお問い合わせ:oh2022-help@sonycsl.co.jp

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その他

「世界は多様性を必要としています」

  5年前に生徒の作った本校のポスターです。「世界は多様性を必要としています」という言葉が、今、胸に刺さります。 ロシアによるウクライナ侵攻は生徒達の目にどのように映っているのでしょうか。 21世紀になり、地球上の問題を国を越えて考えなくてはいけない時代に、コロナ禍で防疫は全世界格差なく行わなければならないことを学んだときに。 そんなときに大人たちが起こしているこの争い事を、当事国の、そして世界の子ども達はどう見て、どう感じているのか、それは彼らの将来にどんな影響があるのか、それを思うと暗澹たる気持ちになります。 あるとき、人から、こんなことを聞かれたことがあります。 「正義の対義語はなんだと思う?」 答えは、「もう一つの正義」だそうです。 地政学的、歴史的、文化的、宗教的背景を知れば、それぞれの国にそれぞれの主張があり、個人にも一人一人の価値観があることが分かる。知識を得、エンパシーを高め、理解を深める。そして、違いを認め互いを活かし合う。それが、生徒がポスターに込めた「世界は多様性を必要としています」の意味なのではないでしょうか。 どんな背景があったとしても、武力で領土や人の命を奪うようなことはあってはならないことです。そんな当たり前のことが当たり前でなかったことを目の当たりにして、私自身も混乱しています。 しかし、どんなときも、学校という場所は、常に未来志向でありたい、未来を託す子ども達の目線で物事を見たい、その軸だけはぶらさずにいたいと思います。 私たちの学校は、震災の復興時の貢献活動を元に作られた学校です。戦中戦後を通して、平和を願う校歌を変えずに来ました。与謝野晶子が校歌に託した 「我ら、平和の使い、ともに優しきこころ、おこない」 この思いを大切に、今、できることをしていきたいです。  

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早稲田大学 高大接続授業・アメリカ新一世の会

  今朝、学校前の信号を渡ったところで、「どうやって直すのかわかんな~い!」という叫びが。 小学生の女の子です。強風で傘がおちょこになってしまい、泣きそうになっています。片手で直してあげようとしたのですが難しく、いったん、五号館の屋根の下に荷物を置いて、いっしょに直しました。 ペコリと頭を下げて、「ありがとうございます」と。まだ3年生くらいでしょうか。ちょっとしたことですが、こうして丁寧に挨拶されると、微笑ましく私も幸せな気持ちになりました。 うちの生徒も、登下校時にいろいろな方とすれ違い、お世話になること、ご迷惑をおかけすることもあると思います。そうしたとき、この子のように、「ありがとう」「すみません」がさっと出てくると相手の方だけでなく、それを見ている周りの方々の一日も爽やかにすることができるのだなぁと、思いました。   *本校は早稲田大学と高大連携をしています。今年の高大接続授業の様子を担当の住谷から報告します。 本校では、毎年早稲田大学の先生にご協力をいただき、 高大接続授業を行なっています。今回は4・5年生の希望者18名が、文学部教授・李成市先生の「 東アジアから日本史を考える」を受講しました。 古代、日本は中国から多くの文物を取り入れてきた、 と一般的には言われていますが、 例えば漢字については朝鮮半島を経由した際、 一度アレンジが加えられた上で日本に入ったため、 実は高句麗由来や百済由来の字が存在するのだそうです。 また、日本と朝鮮半島、 中国の間には類似した歴史を持つ時期があり、 例えば7世紀半ばの大化の改新の頃、 お隣新羅でも同様の改革が始まっていたり、 唐の都長安を模した都が日本や朝鮮にも造られたこと、 日本のハ色の姓と新羅の骨品制との類似性などが取り上げられまし た。 さらに6世紀末から8世紀にかけて日本には多くの女帝が即位した 時期がありましたが、 その時期やはり新羅でも女性の大王が即位し、 中国でも史上唯一の女帝となった則天武后が登場していました。こういった事実を見ていくと、その国単体では見えてこなかった、 気づかなかったことが、 近隣の歴史と並べてみることで多くの気づきを持つことができます 。Zoom越しではありましたが、先生の「 歴史はその国単体だけではなく近隣とのつながりから見ていくこと で、より多くのことに気づきを得ていくことができる」「 歴史はただ古いことを覚えていくのではなく、 仮説を立てて検証していくことで新事実が見えてくる」「 東アジア世界は2000年にわたり政治や文化などを共有してきた 地域であり、現在の諸問題を解決するには中国、朝鮮半島、日本、 そしてベトナムを含めた東アジアというまとまりで捉えることが大 切である」というメッセージが、 生徒にはすごく共感できたようで、 書いてもらった感想にはさらに歴史を興味をもって学んでいきたい という思いが書き込まれていました。 個人的にも李先生のお話を直接伺ってみたいという思いが実現した こともあり、感激もひとしおでした。李先生、教務部の方々、 本当にありがとうございました。 *二週連続で、アメリカに渡り、様々な分野で活躍している日本人「新一世の会」の方と生徒をオンラインでつなぐ特別講座を行いました。 これは、私がお世話になっている方からのご紹介で、米日カウンシルのメンバーの新一世の方々から、「日本の若者に貢献したい」というありがたいお話をいただき、神谷校長のファシリテーションで行ったものです。 とにかく、お話が面白く、アメリカで日本人がどう生きていったのか、その体当たりのエピソードに生徒達は興味津々でした。 こうした機会を活用し、コロナ禍で海外に出る機会が少ない中でも、生徒の学びを広げていきたいと思っています。 * 日経xwoman(ARIA) に大学院でのリカレント教育について聞かれたインタビュー記事が 掲載されました。

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4年生総合学習(講演会)・お知らせ・美術部・フラワーアレンジ部

先日、4年の総合学習で、元ジャパン・タイムズ執行役員の大門小百合さんの講演と私からのインタビューを行いました。大門さんは女性で日本の新聞社初の役員になった方で、今はフリーのジャーナリストとして活躍しています。先日もNHKのクローズアップ現代でコメントをなさっていました。 今は、国際的に活躍し、英語で仕事をなさっている大門さんですが、英語の勉強は中学1年生から。高校での留学を機に英語の面白さを知り上智大学に進学、本校の修学旅行先でもあるオークランド大学に留学、その後、ハーバード大学でも研究をされました。 キャリアの話には、パートナーと協力しながら仕事と家庭を両立していくことになる生徒の将来にとって参考になることが多くありました。ハーバードに行くときは、ご主人がフリーになって同伴し、配偶者パスで一緒に勉強をなさったこと、育休中にはご主人がイスラム圏で研究をすることになり、そこにお子さんと一緒について行き、勉強を続けたことなど。 震災など大きな社会的な出来事があるとき、子育てとの両立は本当に大変で、そんな中で、ママ友など周りの人に助けられたそうです。できないことは抱え込まずに人に頼むこと、できないかもと思っても思い切ってやってみること。「やらない後悔よりやった後悔」という言葉はいつも私が生徒に言っていることだったので大いに共感しました。 女性だからこその苦労もありますが、女性だからこそできることもあります。国会担当の時、まわりがほとんどが男性で、当時たばこの煙がすごかったそうです。妊娠していた後輩がその中で仕事をしていることを見かねて、提案し、喫煙を制限することができたそうです。 今日、話を聞いた生徒たちも、いつか社会によりよい変化を起こす人になってくれたらうれしいです。 ジャパン・タイムズは、日本最古の英字新聞で、学ぶことが多くあります。(本校も取材され英字記事になりました。)しばしば大学入試問題で引用されるので、英語の勉強にもなりますよ。 大門さんが書かれている記事を入学式で紹介し、ブログにもリンクしたことがあります。その記事を元に、「品川ファミリー」に寄せた言葉を抜粋してご紹介します。 アメリカ史上初の女性議員、ランキンが真珠湾攻撃後の開戦決議のとき残した言葉があります。 “As a woman I can’t go to war, and I refuse to send anyone else.” 戦争賛成が388、反対は1、それが彼女でした。本校の校歌の作詞者、与謝野晶子の「君しにたもうことなかれ」が頭に浮かびます。そして、意志決定の場にダイバーシティーが欠けることの恐ろしさを感じます。 今年一月時点のアメリカ両院女性議員数は27%となり、一方、日本の衆議院女性比率は9.9%。女性が初めて当選した1946年の衆議院選の8.4%から80年近くたった今もほとんど増えていないのです。政治分野のジェンダーギャップ指数で日本は156カ国中147位、私たちの学校は、女性に参政権のない時代に創立されましたが、まだまだ女子に特化した教育を行う必要性は大きいと言わざるを得ません。 創立者は繰り返し、「感恩報謝、自分に何かできるチャンスが巡ってきたら逃げずに受けて必ず社会 へお返ししなさい」と言っていました。生徒達が社会問題を自分事として考え、解決の一歩を踏み出す、そんな人に育ってくれることを願います。   ◆お知らせ *SBIP中高生探求コンテスト 全国の中高生が取り組んだ探究内容について応募し、書類審査・動画審査を経て選ばれた10組がプレゼンテーションをする場になります。グランプリ・準グランプリを決定します。本校が会場なので積極的に参加を!ポスターが職員室手前の廊下に貼ってあります。 日時:2月19日(土)14時ー18時 場所:品川女子学院(北品川駅から徒歩2分) ※新型コロナウイルスの感染状況によってオンライン開催に変更する可能性があり。 ◆部活発表のお知らせ *美術部【私立中学高等学校生徒写真・美術展】■期日 11月18日(木)~11月23日(火・祝)9:30~17:30(入場は17:00まで) ※最終日入場は11:30まで■会場 上野 東京都美術館 ロビー階第1展示室 入場無料・予約不要 *フラワーアレンジメント3年生の部員が いけばな大賞2021 学生部門(中学生)に出展します。■展覧日11/22(月) 10:30〜19:0011/23(火) 10:30〜15:00■場所北千住 THEATRE1010 アトリエ(北千住駅西口丸井/10F)

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秋の空・大学出張授業【早稲田大学】・ユネスコ

秋は空がきれいです。以前、遠州流茶道のお家元が「 秋は月がきれいと誰かが教えてあげないと子供はそれに気づかない 」とおっしゃっていました。対談が『女の子が幸せになる授業』 に。 日本には四季があり、それを愛でる文化があることを知ることで、 日々の生活が少し豊かになり、 その積み重ねは生徒達のこれからの人生を大きく変えるのではないでしょうか。 そんな思いで和の授業もやっています。 *出張授業の続きです、担当の名越から報告です。 経済学の視点で経営を学ぶ~早稲田大学商学学術院 谷口みゆき先生~ 今回谷口先生からは、生徒たちにとってわかりにくい経営学という学問を、公共部門(例:大学病院や公立ホールでのコンサート)を通して教えていただきました。 とても興味深かった点は、民間企業はあくまで自己の利益を追求するのに経営学を用いるのに対し、公共部門ではあくまで社会全体の利益を追求するという言葉でした。 また、経営という言葉は、様々な学問分野から成り立っていて、経済学・マーケティング・会計学・社会学・心理学と様々に横断するので、いろいろな事から学ぶことができると言う点も面白かったです。 谷口先生は、「経営学は高等数学で習ったものを全て使っていく学問だから、数学を生かして学問してみたいと言う方にとっては経営学は面白い道です」という言葉は、生徒に響いたようでした。 そして、大学での学問選びの参考にと、経済学の専門家から見た、経営学・会計学・経済学・マーケティングの違いを丁寧に教えていただき、経営学は企業の効果的な運営の方法について考える、会計学は企業のお金のやりくりについて考え、財務を分析する、経済学は企業が社会全体に与える影響を考え、効率的な社会の実現を目指す、マーケティングは企業の商品の売り方を考える、という谷口先生の説明で生徒に教えていたたことは、後のアンケートをみると進路を考える上でよい参考になったようです。 *私が委員をやっているユネスコ国内委員会からのお知らせです。ESD(持続可能な開発のための教育) の表彰式がオンラインで見られますので、 SDGsに関係する教育プログラムの実践例として参考になると思 います。令和3年11月19日(金)21時30分~23時00分 事前登録不要 → http://webcast.unesco.org/ events/2021-11-ESD-Prize/(画面下部のJPボタンを押すと、日本語同時通訳が流れます。)

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