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高等部校長

都会の学校であるということ

昨日は4,5年生が模試、6年生は大学入試説明会が行われました。6年生の教室を巡回していて思うのは、都会の学校は恵まれているということです。本校生徒の志望が多い主要大学の職員をお招きし、生徒1人1人の個別質問を受けていただきます。事前にパンフレットも郵送していただき、それを手に、学校に居ながらにして約2時間で3~5校かそれ以上回ることができます。

地方の学校であればこうは行きません。多くの大学職員を招くのは難しいので、夏休みなどに計画をたて、慣れない交通機関を使って学校を回っても、せいぜい1日に1校か2校でしょう。交通費も時間もかかります。最近はリモートのところも増えてはきましたが、教室に行って空いていればすぐ質問できる状況はやはり便利です。

そしてこの状況は、入試の時期にさらに差がつきます。本校の多くの生徒は、入試の朝も自宅で朝食をとり、ある程度勝手のわかる電車に乗って大学へ向かいます。試験場でもときどき顔見知りがいますし、自宅に帰ればすぐ夕食をとってリラックスできるでしょう。一方地方の受験生は、例えば大都市圏に受験にくる場合は綿密な受験計画をたて、交通費をかけて移動しホテルに泊まります。ベッドも朝食もいつもとは違いますし、慣れない交通機関も不安で、会場に行っても知り合いはいません。毎日近くに家族がいるかどうかも精神的には違いがでると思います。

先日、国公立入試の英語外部試験導入断念が正式に決まりました。地域による受検機会の差が大きな理由ですが、上記のように実際の差はもっと大きいです。都会の学生はこのとこになかなか気づきませんが、恵まれているのは事実です。本校の生徒も、もちろん様々な悩みがあり、自分の境遇を不利だと思うことがあるかもしれませんが、入試一つとっても大きな違いがあることをきちんと認識しておいてほしいと思います。

2021.7.14 [高等部校長]