PRODUCED BY 品川女子学院
白ばら日記

令和7年度の入学式

4月9日には中等部の入学式が完成したばかりの講堂にて初めて実施されました。
やわらかな日差しに包まれ、220名の新入生が少し緊張しながらも晴れやかな表情で登校してきました。ご家族からもたくさんの笑顔が見られました。

 

入学式の祝辞の抜粋です。

かつて、女性は自分の人生を自分で決めることができませんでした。進学や結婚、選挙にすら参加できなかった時代がありました。そうした時代にこの学校は創立されました。
次世代を生きる女性には「自分のことを自分で決める自由」を持っていてほしいと願って。

そうしてちょうど百年目に入学するみなさんは、地域の中学ではなく、自分で私立の女子一貫校「品川女子学院」を選びました。

日本社会を見渡してみると、女性が「自分のことを自分で決める」ための環境は整っていると言えるでしょうか?たとえば、もし今ここが衆議院だったとしたら、女子はわずか一クラス分ほど。残りの5クラスは男子、というくらいの男女比です(2024年現在の女性議員比率は15.7%)。世界の中でも、男女平等を示すジェンダーギャップ指数の順位で日本は118位です。

教育や健康の分野ではトップランクなのに、この順位になる理由は、政治と経済の分野が著しく低いからです。「大事なことを決める場」に女性がとても少ない。そうなると、どんな社会になるのでしょうか。

第二次世界大戦のとき、米国下院で戦争に賛成した票は388票すべて男性が投じ、反対票は一票、それは米国初の女性議員のものでした。

本校の校歌を作詞した与謝野晶子は、戦時下に「君死にたまふことなかれ」と弟の命を大切に想う歌を詠みました。そうした思いは「平和の使い」という本校校歌の歌詞にも込められています。

多様な人々とともに生きていくためには、異なる意見や価値観と向き合い、時にはぶつかることも必要です。本校ではチームで取り組むことがたくさんあります。もめごともあります。でも、それは「違う」ことを受け入れるチャンスでもあるのです。

今の日本において女子校という存在にはとても大きな意味があります。公立の高校では別学はわずか1%となりましたが、別学の環境では、女性のさまざまな力が伸びやすいという研究結果もあります。

たとえば、「手を挙げにくい」と言われる女性の特性も、こうした環境の中で変えていくことができます。みんなが声を出し合える場にするには、「最初の一人」が必要です。その「最初の一人」になる勇気を、6年間で育んでいってほしいと思います。

フラワーアレンジ部が作成してくれたお花は、事務所前に飾りました。