PRODUCED BY 品川女子学院
白ばら日記

中学入試を前に

 

今朝、桜が一輪咲いているのを見つけました。よーく見ると、 真ん中のあたりです。 このところの寒さの中で一生懸命咲いている姿を見て、明るい春の訪れを予感させられました。

 

明後日から入学試験が始まります。現在、オンライン授業になっており生徒が登校していないので、今日は、教職員みんなで心を込めて、今年度から使用している新校舎に受験室を準備をしました。

入試期間中も、例年は在校生が手伝ってくれるのですが、今年は卒業生が来てくれることになりました。教員にしては若いな?という印象を持たれたら、先日成人式を迎えた学年の卒業生です。縁あって本校で6年間を過ごし、巣立ち、成人した卒業生が、かつて小学生だった頃の自分を思い出しながら、受験生のみなさんをサポートします。

入試期間中は思いがけないことが起きるものです。お子さんをサポートする親御さんに少しでも気持ちの余裕を持っていただけるように、毎年、入試直前チェックリストをシェアさせていただいています。(著書『伸びる子の育て方』の巻末に掲載したものです)。今年は感染対応で、交通機関も各校の状況も異なりますので、最終確認のヒントにしていただければ幸いです。

□ 持ち物は学校ごとにチェック表で確認。書類は取り違えないように学校毎にファイルしておく

□ 体調不良に備え、マスクの替え、鼻血対応のティッシュ、エチケット袋等も持っておく。

□ 着る物は着やすくて温度調節ができるものを(保護者室が寒い学校もあるので、親御さんも備えて)

□ 前日は消化のいい物を早めに食べて寝る(寝られなければ「それが普通。みんなそうだから大丈夫」)。

□ 移動時間はもう一度シミュレーション。土日はダイヤが違うことも、今は便数が減っていることも。万が一に備えて他の路線があれば見ておく

□ 受験校の電話番号は控えておく。もしものときはまず連絡を

□ テストの後、結果は聞かない。結果で叱らない(本人が一番感じています)。ただ、理社の時事問題はその年の傾向があるのでチェックした方がいいかも。そのとき、ケアレスに気づいてがくっとしたら、「次はどうしたらいい?うん。それなら次は大丈夫」とよいイメージに変えてあげて。ただし、それもあまり疲れているようなら終わったことには触れずに、リラックスさせることを優先に

□ 一つ一つの入試結果が思い通りにならない日があっても、お子さんとは”終わった後の楽しいことをシミュレーション”「最終日は好きなものを食べようね」などと明るい絵が見えるように

□ 学校によって過去問の傾向が違うときは、次の学校への切り替えを(句読点の数え方が違うことも。慌てて時間切れにならないように時間配分のシミュレーションなどもしておく。満点は取らなくていい、合格点をとればいいので)

□ 併願校で最後まで迷ったら、とりあえず出願だけダブルでする方法も。偏差値だけでなく定員、倍率も見る(受験料はもったいないが、どういう心理状況になるか分からないので、それに助けられることも)

□ 併願パターンに合わせて合格後の手続きまでを事前に一覧に。学校は期限には厳密。気が抜けてうっかりしないように

□ 受験番号は他人に言わない。受験校の同じ親しい友人との行動もどこまで一緒にするか事前に考えておく(合否が別れたときが辛いので)

□ 第二志望以降は数字をつけず、どこが好きかを話題にしておく。公立の悪口も言わない。

□ 不合格になった学校の悪口を言わない(あきらめたころ繰り上げがくる学校もありますし、手に入らなかったものを否定する概念が入ると、責任感や向上心がなくなります)

□ 合格した学校に「あなたを認めてくれた」という言葉を使わない(選んで受けてくれた受験生を認めていない学校はありません。合否は本人のとった点数の結果です。逆の場合に否定された気持ちになってしまいます)

□ 万が一の場合を考え、親類縁者、人手を確保しておく。手の抜けるところは抜けるよう、自分でなくてもできること、他の人に手伝ってもらえることがあれば頼んでおく(一段落してからでも大人同士のフォローはできます)

□ 何かあっても親は慌てた顔をしないで。お子さんが落ち着いて受験できることを最優先に

□ 自分自身の精神状態を安定させるため、入試期間中の息抜きの時間や場所(お茶の時間、好きなスイーツ、部屋に飾る花、待っている間に読む楽しい本、愚痴を言える人等々)も確保しておく(お母さんが泣いて子どもが慰める場面を何度も見ました)

□ 下の子のケアを疎かにしない(「お姉ちゃんは受験だから仕方ない」が通用しない年齢もあります)

□ 未来を犠牲にしない(受験はとても大変で大きな出来事ですが、お子さんの長い人生から見たら一時のことです。未来を見たとき受験より大切な価値観は見失わないように)

□ 複数の学校に合格して迷ったら、他人の評価や動く数字でなく価値観を優先して。最後は子ども自身に決めさせる(入学後、思い通りにならないことは必ずあります。そのとき、乗り越えられる子は自分で選んできた子です)

受験期間中、お父さん、お母さんの一番の仕事は、「笑顔でいること」です。

30数年、この世界にいてしみじみ思うことは3つです。

「受験のその後の人生は長い」

「入学することになった学校がその子にとって一番いい学校」

「結果がどうあれ、受験勉強の過程で得た財産は消えない」

試験が終わったら、どうか笑顔で、これまで頑張ったお子さんとご自分自身をねぎらってあげてください。

入試当日は密を避けるため、私の講堂での説明はありませんが、朝、玄関で皆さんをお迎えします。

受験生の皆さんが、落ち着いてこれまで努力した実力を発揮できるよう祈っています。

 

*IFCの生徒たちが「IFC応援メッセージ動画」を作成いたしました。