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白ばら日記

早稲田大学 高大接続授業・アメリカ新一世の会

  今朝、学校前の信号を渡ったところで、「どうやって直すのかわかんな~い!」という叫びが。 小学生の女の子です。強風で傘がおちょこになってしまい、泣きそうになっています。片手で直してあげようとしたのですが難しく、いったん、五号館の屋根の下に荷物を置いて、いっしょに直しました。 ペコリと頭を下げて、「ありがとうございます」と。まだ3年生くらいでしょうか。ちょっとしたことですが、こうして丁寧に挨拶されると、微笑ましく私も幸せな気持ちになりました。 うちの生徒も、登下校時にいろいろな方とすれ違い、お世話になること、ご迷惑をおかけすることもあると思います。そうしたとき、この子のように、「ありがとう」「すみません」がさっと出てくると相手の方だけでなく、それを見ている周りの方々の一日も爽やかにすることができるのだなぁと、思いました。   *本校は早稲田大学と高大連携をしています。今年の高大接続授業の様子を担当の住谷から報告します。 本校では、毎年早稲田大学の先生にご協力をいただき、 高大接続授業を行なっています。今回は4・5年生の希望者18名が、文学部教授・李成市先生の「 東アジアから日本史を考える」を受講しました。 古代、日本は中国から多くの文物を取り入れてきた、 と一般的には言われていますが、 例えば漢字については朝鮮半島を経由した際、 一度アレンジが加えられた上で日本に入ったため、 実は高句麗由来や百済由来の字が存在するのだそうです。 また、日本と朝鮮半島、 中国の間には類似した歴史を持つ時期があり、 例えば7世紀半ばの大化の改新の頃、 お隣新羅でも同様の改革が始まっていたり、 唐の都長安を模した都が日本や朝鮮にも造られたこと、 日本のハ色の姓と新羅の骨品制との類似性などが取り上げられまし た。 さらに6世紀末から8世紀にかけて日本には多くの女帝が即位した 時期がありましたが、 その時期やはり新羅でも女性の大王が即位し、 中国でも史上唯一の女帝となった則天武后が登場していました。こういった事実を見ていくと、その国単体では見えてこなかった、 気づかなかったことが、 近隣の歴史と並べてみることで多くの気づきを持つことができます 。Zoom越しではありましたが、先生の「 歴史はその国単体だけではなく近隣とのつながりから見ていくこと で、より多くのことに気づきを得ていくことができる」「 歴史はただ古いことを覚えていくのではなく、 仮説を立てて検証していくことで新事実が見えてくる」「 東アジア世界は2000年にわたり政治や文化などを共有してきた 地域であり、現在の諸問題を解決するには中国、朝鮮半島、日本、 そしてベトナムを含めた東アジアというまとまりで捉えることが大 切である」というメッセージが、 生徒にはすごく共感できたようで、 書いてもらった感想にはさらに歴史を興味をもって学んでいきたい という思いが書き込まれていました。 個人的にも李先生のお話を直接伺ってみたいという思いが実現した こともあり、感激もひとしおでした。李先生、教務部の方々、 本当にありがとうございました。 *二週連続で、アメリカに渡り、様々な分野で活躍している日本人「新一世の会」の方と生徒をオンラインでつなぐ特別講座を行いました。 これは、私がお世話になっている方からのご紹介で、米日カウンシルのメンバーの新一世の方々から、「日本の若者に貢献したい」というありがたいお話をいただき、神谷校長のファシリテーションで行ったものです。 とにかく、お話が面白く、アメリカで日本人がどう生きていったのか、その体当たりのエピソードに生徒達は興味津々でした。 こうした機会を活用し、コロナ禍で海外に出る機会が少ない中でも、生徒の学びを広げていきたいと思っています。 * 日経xwoman(ARIA) に大学院でのリカレント教育について聞かれたインタビュー記事が 掲載されました。

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4年生総合学習(講演会)・お知らせ・美術部・フラワーアレンジ部

先日、4年の総合学習で、元ジャパン・タイムズ執行役員の大門小百合さんの講演と私からのインタビューを行いました。大門さんは女性で日本の新聞社初の役員になった方で、今はフリーのジャーナリストとして活躍しています。先日もNHKのクローズアップ現代でコメントをなさっていました。 今は、国際的に活躍し、英語で仕事をなさっている大門さんですが、英語の勉強は中学1年生から。高校での留学を機に英語の面白さを知り上智大学に進学、本校の修学旅行先でもあるオークランド大学に留学、その後、ハーバード大学でも研究をされました。 キャリアの話には、パートナーと協力しながら仕事と家庭を両立していくことになる生徒の将来にとって参考になることが多くありました。ハーバードに行くときは、ご主人がフリーになって同伴し、配偶者パスで一緒に勉強をなさったこと、育休中にはご主人がイスラム圏で研究をすることになり、そこにお子さんと一緒について行き、勉強を続けたことなど。 震災など大きな社会的な出来事があるとき、子育てとの両立は本当に大変で、そんな中で、ママ友など周りの人に助けられたそうです。できないことは抱え込まずに人に頼むこと、できないかもと思っても思い切ってやってみること。「やらない後悔よりやった後悔」という言葉はいつも私が生徒に言っていることだったので大いに共感しました。 女性だからこその苦労もありますが、女性だからこそできることもあります。国会担当の時、まわりがほとんどが男性で、当時たばこの煙がすごかったそうです。妊娠していた後輩がその中で仕事をしていることを見かねて、提案し、喫煙を制限することができたそうです。 今日、話を聞いた生徒たちも、いつか社会によりよい変化を起こす人になってくれたらうれしいです。 ジャパン・タイムズは、日本最古の英字新聞で、学ぶことが多くあります。(本校も取材され英字記事になりました。)しばしば大学入試問題で引用されるので、英語の勉強にもなりますよ。 大門さんが書かれている記事を入学式で紹介し、ブログにもリンクしたことがあります。その記事を元に、「品川ファミリー」に寄せた言葉を抜粋してご紹介します。 アメリカ史上初の女性議員、ランキンが真珠湾攻撃後の開戦決議のとき残した言葉があります。 “As a woman I can’t go to war, and I refuse to send anyone else.” 戦争賛成が388、反対は1、それが彼女でした。本校の校歌の作詞者、与謝野晶子の「君しにたもうことなかれ」が頭に浮かびます。そして、意志決定の場にダイバーシティーが欠けることの恐ろしさを感じます。 今年一月時点のアメリカ両院女性議員数は27%となり、一方、日本の衆議院女性比率は9.9%。女性が初めて当選した1946年の衆議院選の8.4%から80年近くたった今もほとんど増えていないのです。政治分野のジェンダーギャップ指数で日本は156カ国中147位、私たちの学校は、女性に参政権のない時代に創立されましたが、まだまだ女子に特化した教育を行う必要性は大きいと言わざるを得ません。 創立者は繰り返し、「感恩報謝、自分に何かできるチャンスが巡ってきたら逃げずに受けて必ず社会 へお返ししなさい」と言っていました。生徒達が社会問題を自分事として考え、解決の一歩を踏み出す、そんな人に育ってくれることを願います。   ◆お知らせ *SBIP中高生探求コンテスト 全国の中高生が取り組んだ探究内容について応募し、書類審査・動画審査を経て選ばれた10組がプレゼンテーションをする場になります。グランプリ・準グランプリを決定します。本校が会場なので積極的に参加を!ポスターが職員室手前の廊下に貼ってあります。 日時:2月19日(土)14時ー18時 場所:品川女子学院(北品川駅から徒歩2分) ※新型コロナウイルスの感染状況によってオンライン開催に変更する可能性があり。 ◆部活発表のお知らせ *美術部【私立中学高等学校生徒写真・美術展】■期日 11月18日(木)~11月23日(火・祝)9:30~17:30(入場は17:00まで) ※最終日入場は11:30まで■会場 上野 東京都美術館 ロビー階第1展示室 入場無料・予約不要 *フラワーアレンジメント3年生の部員が いけばな大賞2021 学生部門(中学生)に出展します。■展覧日11/22(月) 10:30〜19:0011/23(火) 10:30〜15:00■場所北千住 THEATRE1010 アトリエ(北千住駅西口丸井/10F)

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緊急事態宣言の延長・お知らせ

8月20日に緊急事態宣言延長への対応について、 保護者の皆様にご連絡をいたしました。 中等部の校長ブログでもお伝えしていますが、 感染対策をさらに強化しつつ、 できる限り生徒のリアルな学びを確保していく方針です。 本校は、安全の確保が最優先との考えから、 全国的に見てもいち早くオンライン授業を実施しました。 一方、 アンケートなどで検証も行い、 学校という人が集う場での学びの意義も強く再認識しました。 リアルな教育活動を制限すればするほど、 長期的に見て非認知能力など失うものが少なくありません。 これは、過去の調査でも明らかです。( 学校の休校が将来的に負のインパクトをもたら すというデータなど) 生徒の一年は二度と戻ってきません。 感染対策としてできる限りのことはし、リスクを最小限にしたうえで 、 リアルの方が教育効果の高いことはなるべくリアルでやっていきた い。そのためには、 私たち一人一人が、その場その場で行動していかなければな りません。 各ご家庭、 一人一人の生徒にはそれぞれの事情があります。私自身も昨年、 二回の手術をし、 コロナの影響でその後の治療を受けられないという経験をしました。そして、置かれた状況によって、感じ方、考え方が変わることを自ら実感しました。100%相手に合わせることが難しくても、互いの思いに寄り添いつつ、 みんなの力を合わせてこの難局を乗り越えていきましょう。 *ダイヤモンドオンラインのインタビューの最終回が掲載されました。本校の取り組む、リアルな場に集うからこその教育プログラムについても触れています。 第3回記事 『女の子が幸せになる「学校の育て方」』   *おおたとしまささんから、『正解がない時代の親たちへ 名門校の先生たちからのアドバイス[エッセンシャル版]』をいただきました。84,98ページにインタビュー掲載されています。 のちほど、図書室に入れておきます。 *私が委員を務めている日本ユネスコが加盟70周年を記念し、 以下の取り組みを行っています。SDGsをテーマにした取り組みが多いので、シェアします。 1)「ユネスコ未来共創ダイアログ」日時:8月30日(月)18:30~20:00方法:オンライン(ZOOM)テーマ:「国際平和のため、 私たちは世代や立場を超えた協働で何ができるか」登壇予定者(五十音順):内田一士 広島ユネスコ協会平和・世界遺産部会長黒崎伸子 医師/国境なき医師団日本・元会長/長崎SDGsクラブ副代表小巻亜矢 サンリオエンターテイメント代表取締役/(一社) SDGsプラットフォーム代表理事西野月 杉並ユネスコ協会青年部/立教大学1年平山英恵 長崎純心大学2年/Green Peaces( 交流会やパンフレット制作など様々なアプローチで長崎と平和を伝 える活動をしている学生団体)メンバー丸川大慈 広島県立広島高校2年/HIP HOPE[Hiroshima International Peace for HOPE]: 広島の高校生による平和に関する探究や発信のためのプロジェクト 実行委員会メンバー詳細・申込先:https://unesco-sdgs. mext.go.jp/archives/2187 2)「次世代ユネスコ国内委員会(仮称)」 メンバーの公募公募締切:9月13日(月)募集対象:原則30歳未満で次のいずれかを満たす者。・ユネスコ活動(世界遺産、無形文化遺産、ユネスコエコパーク、 ユネスコ世界ジオパーク、ユネスコ創造都市ネットワーク、 世界の記憶等のユネスコ登録事業を通じた取組、 ESDの活動含む)に関わっている者。・ SDGs達成への取組に関わっている者や青少年活動に参画してい る者で、ユネスコに興味のある者。詳細・申込先:https://www.mext.go.jp/unesco/ 002/index_00001_01_00001.htm 3)日本のユネスコ加盟70周年記念番組の放送放送日時:9月3日(金)、9月24日(金)18時~18時半放送局:BS朝日政府広報オンライン 「宇賀なつみのそこ教えて!」https://www.gov-online.go.jp/ pr/media/tv/soko_oshiete/ index.html 4)ユネスコ未来共創プラットフォームポータルサイトユネスコ未来共創プラットフォームポータルサイト:https: //unesco-sdgs.mext.go.jp/

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朝礼・empathyと日本文化

先週は中等部、今朝は高等部の朝礼をオンラインでやりました。高等部校長の権藤から、企業や大学のミッションの話、個人の哲学の話がありました。 「握った拳では握手できない」非暴力のことですね。 以前、緒方さんにお目にかかる機会があり、「 中高生が将来のため身につけておくべき力は何ですか?」 と伺ったところ、一言、「エンパシー」 とおっしゃったことが思い出されました。 empathyは、日本語の同情と近いニュアンスのsympathyと違い、自分と違う考え方や価値観を持っている他者の立場に立って、状況や感情を理解することだそうです。そして、他者の立場に立つためには、自分を理解しておくことも必要です。 先日、日本文化の研究をしているJef Berglundさんの講演を聴き、このエンパシーの話と共通することがあるなと感じたので、(私の理解ですが)印象に残ったことをシェアします。 他者を理解する際の順番として、以下があり、他者(他文化)に対する違和感は大切で、学びのきっかけとなる。 1、 Observe(意識を働かせて見る)2、 Borrow( 他者の目を借りて見る)3、 Integrate(統合する事で受容の「器」が広くなる) (本校で「もめ事は大事」と言っているのも、それが、自分と違う考え方とぶつかり、伝え合い、統合していく過程だからだなと再認識しました。) また、欧米が「発信者責任文化」であるのに対し、日本は「受信者責任文化」で、日本人は受信力が強く、相手の気持ちを読み取ってコミ ュニケーションするともおっしゃっていました。 もちろん個人差はありますが、こうした文化を私たちが背景に持つとしたら、これを認識して活かしていきたいです。 本校で取り組んでいるデザイン思考にも、このエンパシーを知的に働かせ、一つのスキルとして高めていくとトレーニングが含まれています。

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今日から2学期です

  猛暑も9月の声を聞いた今日は一息つき、天王洲運河のカルガモもこんなに成長しました。 今日から2学期です。   始業式はテレビ放送で行いました。 夏休みが短縮される学校が多い中、本校は、4月当初からオンライン授業を実施できたおかげで、通常通りのスケジュールで夏期休暇をとることができました。到達度テストや定期テストの結果、遅れがちな生徒には補習を行い、講習や勉強合宿の代替講習も行いました。 昨年もご紹介しましたが、今年も東京大学で行われたワークショップに参加した4年生もいました。先方にお礼の連絡をしたところ、本校の生徒は積極的で他の参加校ともすぐに仲良くなっていたとのことでした。 感染防止対策を講じた上で、極力部活動も行い、今日は以下の表彰がありました。英検一級をとった生徒がいたり(しかも成績優秀者として表彰されました)、留学生の紹介があったり。 *表彰** □ダンス部第13回 日本高校ダンス部選手権関東甲信越大会 Cブロック3位全国大会 7位入賞および審査員特別賞 ***** 留学生はアメリカから来たSora (ソラ)さん、16歳、 日本語が堪能です。この時期の留学は何かと大変なことも多いと思います。みんなで声をかけてサポートし、またいろいろなことを教えてもらいましょう! オンラインとのハイブリッドで計画中の文化祭の準備も進んでいます。今朝も、実行委員からいくつかの企画への参加を頼まれました。(お楽しみに) クラスの準備も進んでいます。2年生ではLGBTQへの理解を深めるため、先日NHKで特集されて大忙しの杉山文野さんにインタビューをさせていただいたクラスがありました。 再掲ですが、杉山さんのご家族を特集した番組です。https://youtu.be/uAfb6u1KVcU これを見て、私もバトンを渡された気持ちになりました。偏見がなく、すべての生徒が安心して通える学校にしなければと改めて強く思いました。そのためには、「知る」ということが大切です。 本校は学校をオープンにして、社会と生徒をつなぐことを大切にしています。卒業生たちもどんどん「知る」ための情報を提供してくれています。 先日は、家庭科の教員が新校舎の調理室の参考に、丸の内ABCクッキングスタジオを見学させてもらいました。卒業生の田丸さんが役員になっていて案内をしてくれました。  別の卒業生からは、「自分がスイスで子供と参加し、大変興味深かったイベントに、今年は日本からもオンラインで参加できるので、これから進路を決めていく中高生にすすめてほしい」と、連絡がありました。 スイス・ジュネーブに世界最速の加速器があることで有名なCERNという研究所があり、9月6日(日)に『KEK−ATLASオンライン一般公開』が開催されるそうです。普段は見られない最先端の検出器開発現場や、ジュネーブからの生中継もあり、インタラクティブなものになるそうです。小学生でも楽しめたそうなので、物理に興味のある人も、ない人も是非! * ホームページ https://www2.kek.jp/openhouse/2020/atlas.html * YouTubeにアップロードした宣伝動画 https://youtu.be/FnK_VyUMxSs * ポスター https://cernbox.cern.ch/index.php/s/5zkIlUN9qKS53wB    

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新校舎紹介・留学先からのレポート・東京大学より

先週は1年生の保護者会をZOOMで、3年生の保護者会を動画配信で行いました。動画で、新校舎のご紹介をしましたので、品川ファミリーの皆さんにもシェアしますね。(画像をクリックしてください。) *留学中の5年生のレポートです。自分も大変な状況の中で、みんなの役に立つような情報をシェアしてくれたこと、本当にうれしく思いました。(親御さんから本人に許可をとっていただき、皆さんにもご紹介しますね) 『カナダ留学中の16歳の女子高生が、 世界56ヶ国の100人にオンラインで “コロナ”の状況を聞いてみました』   *理科の特別講座などでお世話になっている東京大学の大島まり先生(高校の同級生です(^^;)から情報提供いただきました。 理系には特に参考になると思います。 東京大学生産技術研究所 次世代育成オフィス(ONG)

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