PRODUCED BY 品川女子学院
白ばら日記

2年生日本文化の授業

今年も、2年生では日本文化の授業が行われました。 茶道は、臨時にしつらえた作法室で工夫して行ってきましたが、新校舎には素敵な作法室が完成しているので、楽しみです。 <1回目> 心は水中の月の如し <2回目> 大道は長安に透る(通る) <3回目> 独り慎む <4回目> 無事是貴人 こちらは、いけばなの授業の様子です。 <1回目> 1回目は、レクチャーと、デモンストレーションです。 <2回目> <3回目> 能楽も毎年鑑賞しています。 学年主任の住谷より以下報告です。 期末試験の終わった翌日、2学年では総合学習テーマ「 日本を知る」の一環で、観世九皐会の皆様に来校していただき、 体育館を舞台に能楽を鑑賞しました。 まずは狂言「柿山伏」から。 喉が渇くあまり勝手によその家の柿の実を食べてしまった山伏( シテ)と、それを見つけた主人(アド) とのコミカルなやり取りに、 生徒からもクスクスと笑いが起きていました。 続いて能で使用される楽器の紹介へ。奏者の登場の際、 女性奏者がいらっしゃるのに驚く生徒たち。 男性の芸能という印象が強かったようです。小鼓は湿気が必要、 大鼓は乾燥が必要という違いも意外でした。 休憩をはさんでいよいよ能の番に。今回は半能「敦盛」 を鑑賞しました。源平合戦の一つ、 一の谷の合戦における平敦盛と熊谷直実の決戦、 そして亡き我が子と同じ16歳の敦盛を討ち取ったものの、 世の無常に苦しむ直実が出家する様をたった2人の演者と奏者で演 じる様に見入っていました。 ちょうど今年から古典文法を習い始めた2年生、 難しい言葉遣いの合間に聞いたことのある言葉を耳にしたようで、 学習の成果を発揮した人もいたようです。 最後にワークショップ。 各クラスから出てきてくれた代表生徒を前にしつつ、 みんなで狂言の構えの姿勢をとり、「柿山伏」 で出てきた動物の鳴きまねに挑戦。 最初は恥ずかしがっていた人もみんなでやれば怖くない?、 大盛り上がりでした。 一緒に鑑賞していた本校に在学中の留学生も、 文化の壁のないパフォーマンスに楽しそうでした。 今回能を初めて鑑賞した生徒が非常に多かった中、感想には、 古典芸能と言われている歴史的な能だけれど、 今の私たちにも理解ができることがすごい、 表現の仕方が独特で面白かった、 このまま未来にも残していきたい、 などたくさんの刺激を受けた様子が見られました。 日本の伝統に触れ、それをどう受け継いでいくか。 3学期に実施する生け花の授業や3月の京都宿泊研修に向けて、 同様に考えていくテーマでもあります。 少しでも生徒たちの意識にとどめることができればと思います。 観世九皐会の皆様、本当にありがとうございました。

READ MORE
白ばら日記

地域との交流・お知らせ

本校は社会とつながる活動を大切にし、それぞれの学年や有志グループが活動しています。品川の地で100年の学校でもあるので、地域との交流も大切にしています。 担当の河合から報告です。  防災に関する品川区の森澤区長とのタウンミーティングに防災有志 の生徒数名が参加して参りました。 「品川区での共助の課題について考える」というテーマで, 行政の担当者,地域住民,立正大学, 近隣他校の方々とディスカッションをし, 最後には生徒たちからお願いをして, 森澤区長と集合写真を撮っていただきました。 引き続き,行政とのつながりも大切にしていきます。 12月3日には、品川区主催の産学官連携フォーラムに学生団体「Like me」と「charme」が招待され、各団体の取り組みについて発表の機会をいただきました。 担当の塩崎より報告がありましたので、PDFを添付します。 産学官連携フォーラム「「ともに創る 自分らしくミライを実現する都市」~世代をこえたリーダーたちと考える未来都市しながわ~」参加報告.pdf (3.92MB) 北品川ゆうゆうプラザでネイルサロンレクを行った班が、第2回のイベントを実施しましたので、 ご報告させていただきます。(1回目のイベントの様子はこちら) 今回は北品川ゆうゆうプラザの利用者のみなさまを品女にお呼びし て、班員だけでなく品女生からも希望者を集め、 合計23名でガトーショコラ作りを行いました。 そのときの様子をゆうゆうプラザのブログにてご紹介いただいてお ります。中高生とLet's cooking ケーキをつくりながらクリスマスパーティー♪♪ 参加された皆様からは、ケーキ作りというより、 普段かかわることのない世代同士での交流がなにより楽しかった、 とお声をいただきました。 CBLとしての活動は今回で終了となりますが、 このご縁を繋いでいけるよう、形を変えて定期的にイベントを開催していきたいと考えております 。 *今年度、登壇した会議の様子がHPで公開されましたので紹介します。 あすか会議2024 「アントレプレナーを生み出す教育~これからの時代の人材育成の手法を考える~」漆紫穂子×水野雄介×山口文洋×鈴木寛 【知見録記事URL】https://globis.jp/article/tuno 2ju4_k/ 【Youtube】https://youtu.be/aTj4fZ7hpVo *日経XWomanにて、シフターフッドについて取材された記事が掲載されました。有料記事ですが紹介します。 ゆで卵1200円に驚愕… 品川女子理事長が日本に必要と痛感したもの

READ MORE
白ばら日記

卒業式祝辞

今日は本校77期生の卒業式でした。天候にも恵まれとてもよい式が挙行できました。15年間の建築プロジェクトを経て、ようやく竣工した講堂で行う初めての式典となりました。工事期間は不便な思いをさせることが多かったので、この創立100年というタイミングに彼女たちをピカピカの校舎から送り出せたこと、本当にうれしく思いました。祝辞でお話しした内容をこの場を借りて皆様とシェアしたいと思います。 振り返ると、コロナ禍により多くの制約があった一方で、本校として初めてのチャレンジを数多く行った学年でもありました。 1年生ではデザイン思考、3年生では起業体験プログラム、4年生ではチャレンジ・ベースド・ラーニング(CBL)に取り組みました。また、起業体験プログラムはクラスを超えて実施され、5年生では個人探究に挑戦。そして、引っ越し前の講堂で行われた卒業式と、ほぼ毎年新たな試みが行われてきました。こうした取り組みが現在では定着しているのは、本校の「品女DNA」ともいうべき、「文句を言う前にまず行動」という起業マインドを、皆さんが実践してくれたからこそだと思います。 さて、この「品女DNA」につながる昔話をお話ししましょう。今から100年以上前、日本には女性が学べる大学が一つしかありませんでした。幸運にもその大学に入学を許された女性がいました。彼女は、その恵まれた環境に感謝し、いつか社会に恩返しをしようと一生懸命勉強していました。しかしある日、父親から退学を命じられました。理由は、結婚のため。彼女は一週間泣き続けた末、父の命に従いました。当時、女性には選挙権がなく、国のルールのすべては男性によって決められていました。それだけでなく、自身の進路や結婚相手も親が決めるのが当たり前でした。しかし彼女は、そのとき一つの決意をしました。 「次の世代の女性たちには、自分の人生を自分で決める自由を与えたい。そのためにできることは何でもしよう。」これは、私がこの学校の創立者である漆雅子から聞いた話です。 彼女は、自由を得るためには自立する力、すなわち経済的な力が必要だと考えました。そこで、女性たちに手に職をつけさせるため、裁縫を教える場を設けました。これが、この学校の前身である「荏原女子技芸伝習所」の始まりです。「女性が自らの人生を選択できるように」「女性が国家の意思決定に参加できるように」—— こうした志を持ち、100年の歴史を歩んできました。今日、この学び舎を巣立つ皆さん。自分の進路を決める際、少なくとも自分の意見を反映させることができたのではないでしょうか。 では、日本という国はどうでしょう?私はこの一年、次の100年も品女の教育が続くよう、多くの方に協力をお願いしてきました。本校からは多くの卒業生が社会に羽ばたき、起業マインドを持ち、ゼロからイチの価値を生み出せる人が育っています。そのことを、私は確信しています。 これは、身びいきの主観でなく、卒業生の調査研究からも明らかになっています。 しかし、ジェンダーギャップを解消するために女子教育への支援を呼びかけると、反応は大きく二つに分かれました。一つは、「自分には力がないけれど、できることは何でも応援する」というもの。 もう一つは、「それは素晴らしいことですね。品女さん、頑張ってください」というものです。個人差はありますが、前者は主に女性や若手、後者は日本の政治や経済の意思決定層の男性に多く見られました。衆議院の女性議員比率は、2024年で15.7%、東京証券取引所のプライム市場に上場する企業1,836社のうち、2023年1月時点では女性社長はわずか15人で、全体の約0.8%、つまり社長が100人いたら女性は一人いない割合です。 高等教育を受けた女性が報酬を得られない国としてもOECD断然の最下位です。人口減少が進むこの社会において、国の半分を占める人的リソースを十分に活用できていない現状は、まさに危機的状況といえます。 私自身、これまで女性への差別をほとんど感じることのない人生を歩んできました。しかし皮肉にも、この活動を通じて、日本がなぜジェンダーギャップ指数において依然として世界118位なのかを痛感することになりました。100年たっても変わらないこの状況を、次世代に引き継いでは申し訳ない、これは私たち世代の責任だと思うようになりました。そんなとき、たまたま出会ったのが、映画『ハリー・ポッター』のハーマイオニー役として知られるエマ・ワトソンが国連で行ったスピーチ「HeForShe」でした。そのスピーチから私が得た学びは、男女の対立構造にしてはいけないということでした。男性対女性ではなく、「みんなのために」。 例えば、第二次世界大戦の開戦決議をしたアメリカの下院議会では、戦争賛成票が388票、反対票が1票でした。賛成票を投じたのはすべて男性議員であり、唯一反対票を投じたのは米国初の女性議員、ジャネット・ランキンでした。また、本校の校歌の作詞者である与謝野晶子は、日露戦争のさなかに「君死にたまふことなかれ」と歌いました。意思決定の場には多様性が必要なのです。 女性のためだけでなく、すべての人のために。未来に向けてこの国を支え、そのプレゼンスを高め、世界の平和に貢献するために——。この共通の目標に気付いてから、男性の意思決定層にも少しずつ応援してくれる人が現れるようになりました。 さて、皆さんは今日、この学校を巣立ちます。皆さんが過ごしたこの環境は、思った以上に特別なものであったことに、いずれ気付くでしょう。今や、公立高校の99%が共学化する中、私立女子校という、男女の役割バイアスから自由な環境で過ごした6年間で得たものは、貴重な財産となるはずです。 校歌の「われら平和の使い」を胸に、さまざまな対立を乗り越え、共通の目標を見つけ、社会に価値を生み出す人であってください。「自分がそこまでしなくても」「まだ力不足だから」—— そんなふうにくじけそうになったとき、エマ・ワトソンの言葉を借りて、自分に問いかけてみてください。  If not me, who?  If not now, when? そして、疲れたときは、いつでも母校に帰ってきてください。母校は皆さんのもう一つの実家です。これからの100年、社会に新たな価値を生み出すため、ともに歩んでいきましょう。 卒業式の壇上を華やかに彩ってくれたお花は、フラワーアレンジ部が心を込めて作成してくれました。現在は事務所前に飾っています。

READ MORE
白ばら日記

作画部×骨髄バンク・イトーヨーカドー様との取り組み

明日は卒業式です。国道沿いの新校舎の講堂で行う初の行事となりました。実はまだ引っ越し前なのですが、6年生はコロナ禍で学校行事に影響が出て、また改築工事で部活などにも制限のある学校生活でしたので、何とか、間に合わせられないかと工夫して、この日を迎えることができました。 さて、少し前のものも含めて、報告をもらったり書き留めたりしていた記事を更新していきます。 作画部×骨髄バンク 顧問より報告です。 作画部は普段、 好きなイラストを描いてまったりと活動をしていますが、「 イラストの力で社会貢献」 を合言葉に社会貢献活動にもチャレンジしています。そのような活動の1つが公益財団法人日本骨髄バンクさまの支援活動で、代々、継続しています。今年度は骨髄バンクさまの活動を普及啓発するポスターの作成と展 示、オリジナルグッズを作成して文化祭で販売しその利益を寄付。 また、品川駅前で街頭募金を行いました。 先日、今年度の寄付金を持って事務局へ伺い、寄付金の贈呈、 今年度の活動報告、今後の活動予定をお話しし、 意見交換も行いました。 最後に日ごろの活動に対して骨髄バンク理事長より感謝状をいただき、部員一同感激しました。また、 日頃の活動の様子と事務局訪問の様子を骨髄バンクさまのMONT HLY JMDPや公式Xなどで紹介してくださいました。 来年も新たな企画で骨髄バンクさまの活動を支援しようと、 準備を始めました。 広く皆さまに骨髄バンクさまの活動を知っていただくため、 部員たちは頑張っています。現在は「# オレンジ30000チャレンジ」を支援しています。       公式Xhttps://x.com/jmdp1789/status/ 1868930471734001729?s=12https://x.com/jmdp1789/status/ 1896821991233204240?s=46https://x.com/jmdp1789/status/ 1897120768552763887?s=46https://x.com/jmdp1789/status/ 1899701943779664045?s=46https://x.com/jmdp1789/status/1903038536431042707?s=46 公式Instagramhttps://www.instagram.com/p/ DCOWohBzc_a/?igsh= MzRlODBiNWFlZA== MONTHLY JMDP.pdf (718.98KB) イトーヨーカ堂×総合学習 家庭科の山下からの報告です。 今年度は株式会社イトーヨーカ堂様にご協力いただき、様々な取り組みをさせていただきました。8月に開催しましたSJ OPEN DAYにお越しいただいたことがきっかけとなり、店舗や会社内の様々な部署の方のご協力のもと、生徒たちだけでは実現できないような取り組みをすることが出来ました。食品ロス削減に向けた取り組みと、お米の消費推進のための取り組みを実施しましたので、ご紹介いたします。 1.イトーヨーカドー様店舗において、てまえどりを推進するためのPOPを掲示 10月末よりイトーヨーカドー様の全店舗で設置するPOPとして、本校生徒が作成した「てまえどり」POPが採用されました。フードロスに取り組んでいる1年E組と、CBL4B7班(※)が、目につきやすいデザインを考え、環境月間の時期に合わせて掲示していただきました。(※)CBLは4年生が家庭基礎で取り組んでいる、グループで行う8ヶ月間のプログラムです。 2.イトーヨーカドー大井町店様にて、お米の購入を推進するためのPOPを掲示 CBL4B6班では「日本人のお米離れの解消」を目指しており、大井町店様のご協力のもと、お米売り場の一部を考え、実際にPOPやのぼりを設置させていただきました。設置にあたり、商品部の方経由で農家様の声を拾っていただき、自分たちが実際に食べて感じたお米の魅力も盛り込みながらPOPを作成しました。10月末から1週間設置し、その前後で購入数量や売り上げの比較も行いました。(売り上げはアピールした2つの銘柄で、約30%〜40%の※売り上げ増となりました。)※イトーヨーカドー大井町店、2024年10/21~27とPOP設置後10/28~11/3の売上比較  お米と合わせて販売する商品など、売り場自体の提案をさせていただき、大変貴重な機会となりました。 3.イトーヨーカドー大井町店様にて、てまえどりを推進するためのPOPと音声の設置 CBL4B7班では、校内にあるヤマザキショップにおける食品ロスに注目していましたが、イトーヨーカ堂様とつながり、実際の店舗で食品ロスを防ぐためのチャレンジをさせていただきました。大井町店様のご協力のもと、特に廃棄につながりやすい牛乳・パン売り場に「てまえどり」推進のPOPと、音声(よびこみくん)を設置しました。期間中は毎日店舗に通い、手前どりがされているか目視で確認を行いました。前日分の在庫が翌日には捌けており、音声での声かけも好評だったそうです。店舗に設置されると感動や喜びもひとしおで、家族や周りの反響も大きかったようです。 イトーヨーカ堂の皆さま、お忙しい中貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました!

READ MORE
白ばら日記

お雛様・女性の健康問題

寒波から一転、春を感じる暖かさが続いていますね。 今年も、校内に卒業記念品で寄贈してもらったおひな様を飾っています。   *女性の健康問題についての取り組みを紹介します。私も応援しています。 女性のための新しい医療メディア|女性が納得して医療を選べる未来へ 私自身、学生の時は月経困難で、激痛のため試験会場で倒れたこともありました。当時は治療用の低用量ピルが普及していなかったので、部活の試合や入試など大事な日が生理にぶつからないようにと祈るような気持ちでした。 40代後半から心身の不調があり、ハートセンターや心療内科など何件もの病院に行き、専門病院で更年期とわかるまで数年を費やしました。体の不調は不安になり、気持ちのコントロールができないことに、経営者として失格なのではと引退も考えました。 数年前、乳がんの手術をしたあと、母が卵巣がんで早逝していたこともあり、検査をしたら遺伝性とわかり、子宮と卵巣も予防切除しました。 女性の体に起こることは発言をタブー視されますが、事前に正しい情報を得ていれば無用な不安になることも、病気を防げることもあります。私のような体験を生徒たちにはさせたくないので、中学生から婦人科のかかりつけ医を持つことを著書などでもすすめています。また、PTAの会合の折などに、生徒の親御さんにこうした話をシェアすると、実は自分もという人が予想以上に多いことにも驚きます。 これは、女性の問題でなく、社会の損失なので、女子教育の現場からも協力していきたいです。 生徒たちが、生理の授業を他校でも行っていることはとても意義のあることと思っています。 *以前も紹介した生理の授業の取り組みです。 *2/20のブログでもご案内しましたが、この度、Gakkenから本にまとまりました。全国の図書館などに置かれ、この取り組みが広がっていくことを願っています。

READ MORE
白ばら日記

特別講座「弁護士という生き方」の報告とお知らせ 

寒い日が続いています。 中学2年生のいけばなの授業で先生が活けてくださいました。事務所前に飾らせていただきました。 先日行われた特別講座について、担当の窪田より報告です。 3名の女性弁護士をお迎えし、特別講座を開催しました。講師をしていただいたのは、菊間千乃さん、大門あゆみさん、岩永亜智加さんです。皆さんは同期で親しくされており、さまざまな学校を訪問し、特に女性弁護士を増やすための活動をされています。 最初に、ご自身の紹介と弁護士という資格についての説明がありました。3名それぞれ異なる経歴をお持ちで、大学の法学部や法科大学院を経て司法試験を受験した方、他の職業から転職した方、日本と米国でそれぞれ資格を取得した方など、多様なキャリアパスが紹介されました。日本における女性初の弁護士の一人には、昨年9月まで放送されていたNHKの朝ドラのヒロインのモデルにもなった三淵嘉子さんがいます。しかし、90年ほど経った現在でも、女性弁護士の割合は全体の2割に達していません。社会には半数以上の女性がいるにもかかわらず、日本全国の裁判所支部のうち、女性裁判官が一人もいない場所が57か所もあるという現状が共有されました。 次に、弁護士になるための方法について説明がありました。法曹の資格を取得する(司法試験を受験する)ルートはいくつかあります。一般的に知られているのは、法学部や法科大学院を経て司法試験を受験するルートですが、近年、高校生の合格者が出たことで、予備試験ルートも認知されるようになりました。 講座の中盤では、1~6年生を縦割りの9班に分け、さらに3班ずつ原告・被告・裁判官の役割を割り当て、民事の模擬裁判を行いました。扱った事件は、実際の裁判をもとにした、トランスジェンダーの方が職場でトイレを使用する際の問題についての訴えでした。自分の立場が指定され、その条件のもとで主張を行い、相手の意見を聞いて反論し、両者の言い分を踏まえて裁判官が判断を下すという形式で進められました。一見ディベートのように見えますが、法を用いてその場の条件に当てはめながら、特に原告と被告のそれぞれのクライアントに有利なように議論を展開する点が、ディベートとは異なる難しさだったようです。ワークの最後には、各班の代表者が話し合った内容とまとまった主張を発表しました。 その後、講義と質疑応答が行われ、弁護士を目指すために中高生のうちにやっておくと良いことについて、以下の点が挙げられました。 ・論理的思考力を鍛えること ・新聞やニュースの真偽や背景を常に考えること ・世界の出来事の中で、自分の関心領域を見つけること  ・身近なルールの目的や理由に関心を持つことこうしたことを意識して生活することで、法に携わる姿勢が養われるとのことでした。 充実した内容の特別講座となり、参加した生徒たちは、弁護士の方々から直接話を聞けたこと、ストレートではないキャリアルートの知識を得られたこと、理系でも弁護士を目指せると確認できたこと、さらに模擬裁判を通じて考える難しさと楽しさを実感できたことなど、多くの学びがあったようです。終了後のアンケートにも、多くの意見が寄せられました。 また、終了後には6年生の参加者が熱心に個別質問をしていました。実際に大学に進学し、法を学び、法曹を目指しているからこそ、6年生のこの時期に参加した意義が大きかったのではないかと思います。 この特別講座は、どの学年・どの立場の生徒にも響く内容だったと思います。本校からも、そして日本全国の弁護士やその他の法曹関係者に女性が増えることを願っています。3名の弁護士の先生方、お忙しい中、本当にありがとうございました! 女子中高生が教える 男子にも知ってほしい生理の話 本校の有志生徒団体「CLAIR.」の活動が、Gakkenさんから書籍化されました。各地の学校や図書館等に配架されるそうです。  パソナグループより、国際女性デーに合わせて行っているイベ ントをご案内 がありましたので、共有します。 わたしたちの未来を考える~新しい自分のはじまり~ 2025年2月28日(金)、3月1日(土) 詳細はチラシ・HPをご確認ください。

READ MORE
白ばら日記

入試を終えて

入学試験が終わりました。例年のブログでお伝えしていることを今年もシェアさせていただきます。 思い通りの結果になった人、そうでなかった人、思いは様々だと思います。私自身、入試前日に高熱を出し、第一志望の試験中に気を失って医務室に運ばれた経験があります。受験生の気持ち、ご家族の気持ちを思うと、入学試験を実施する身としても、大学受験へと生徒を送り出す身としても複雑な気持ちです。 しかし、40年、入学のその後を見てきて実感していることは、「縁あって進学する学校が、その子とって一番いい学校」ということです。結果が思い通りにならなくて気持ちがすっきりしない方へ、これまで生徒の成長を見ていて教えられたことを3つシェアします。 1,未来から逆算する お子さんの長い人生から見れば中学受験は一つの通過点です。「そのとき思い通りにならなくてつらかったこと、こんなことに何の意味があるのだろうと思っていたこと、その一つ一つの点が、後で振り返ると繋がって意味のある線を描いていた」と、多くの卒業生が語っています。 2,愛情からしたことはすべて肯定する 中学受験は親主導の場合が多いと思います。ああすればよかったと後から思うこともあるかもしれません。しかし、自分のことで親が悩んでいるのは子どもにとってかえってつらいことです。中学生になれば、だんだんと自分のことは自分で決めて自立するようになっていきます。親が自分の問題と子どもの問題を分けて考えられるようになることが子どもの成長に繋がります。すべての行動の奥には価値観があります。親が子供のためにしたことの意味は、いつかきっとお子さんに伝わります。 3,得たものを見る お子さんが目標に向けて頑張ったその過程にこそ意味があるはずです。得た物を数えてみます。 進学した学校に前向きな気持ちで通う子は必ず伸びます。 この学校でよかったと思えるような学校生活をおくれるよう、ご家族みんなで応援してあげてください。

READ MORE
白ばら日記

中学入試を前に~チェックリスト~

よーく見ると、桜が一輪、寒空に頑張って咲いています。みんなの夢の花が開きますようにと思わず写真を撮りました。 入試が始まり、 受験生のみなさんもご家族も落ち着かない日々だと思います。お子さんをサポートする親御さんに少しでも気持ちの余裕を持っていただけるように、毎年、入試直前チェックリストをシェアさせていただいています。(著書『伸びる子の育て方』の巻末に掲載したものです)最終確認のヒントとして、安心の一助にしていただければ幸いです。 □ 持ち物は学校ごとにチェック表で確認。書類は取り違えないように学校ごとにファイルしておく。 □ 体調不良に備え、マスクの替え、鼻血対応のティッシュ、エチケット袋等も持っておく。 □ 着る物は着やすくて温度調節ができるものを。(保護者室が寒い場合もあるので、親御さんも備えて) □ 前日は消化のいい物を早めに食べて寝る。(寝られなくてもそれが普通。身体を休めるだけでも大丈夫) □ 移動時間はもう一度シミュレーション。土日はダイヤや到着ホームが違うことも。万が一に備えて他の路線があれば見ておく。 □ 受験校の電話番号は控えておく。もしものときはまず連絡を。 □ テストの後、結果は聞かない。結果で叱らない。(本人が一番感じています)ただ、理社の時事問題はその年の傾向があるのでチェックした方がいいことも。そのとき、ケアレスに気づいても、「次はどうしたらいい?うん。それなら次は大丈夫」とよいイメージに変えてあげて。ただし、それもあまり疲れているようなら終わったことには触れずに、リラックスさせることを優先に。 □ 一つ一つの入試結果が思い通りにならない日があっても、お子さんとは”終わった後の楽しいことをシミュレーション”「最終日は好きなものを食べようね」などと明るい絵が見えるように。 □ 学校によって過去問の傾向が違うときは、次の学校への切り替えを(句読点の数え方が違うことも。慌てて時間切れにならないようにどこからやるか時間配分のシミュレーションなどもしておく。満点は取らなくていい、合格点をとればいいので) □ 併願パターンに合わせて合格後の手続きまでを事前に一覧に。学校は期限には厳密。気が抜けてうっかり締め切りに間に合わないようなことがないように。 □ 受験番号は他人に言わない。受験校の同じ親しい友人との行動もどこまで一緒にするか事前に考えておく。(合否が別れたときが辛いので) □ 第二志望以降は数字をつけない。それぞれの学校のどこが好きかを話題にして楽しみに。 □ 不合格になった学校を否定しない。(あきらめたころ繰り上げがくる学校もありますし、手に入らなかったものを否定する概念をいれないように) □ 合格した学校に「あなたを認めてくれた」という言葉を使わない。(選んで受けてくれた受験生を認めていない学校はありません。合否は本人のとった点数の結果です。逆の場合に否定された気持ちになってしまいます) □ 万が一の場合を考え、親類縁者、人手を確保しておく。親が気持ちの余裕を持つため手の抜けるところは抜けるよう、自分でなくてもできること、他の人に手伝ってもらえることがあれば頼んでおく。(一段落してからでも大人同士のフォローはできます) □ 何かあっても親は慌てた顔をしないで深呼吸。お子さんが落ち着いて受験できることを最優先に。 □ 自分自身の精神状態を安定させるため、入試期間中の息抜きの時間や場所(お茶の時間、好きなスイーツ、部屋に飾る花、待っている間に読む楽しい本、愚痴を言える人等々)も確保しておく。(お母さんを子どもが慰める場面を何度も見ました) □ 兄弟姉妹のケアを疎かにしない。(「お姉ちゃんは受験だから仕方ない」が通用しない年齢もあります) □ 未来を犠牲にしない。(中学受験はとても大変で大きな出来事ですが、お子さんの長い人生から見たら前半の一通過点です。未来を見たとき受験より大切な価値観は見失わないように) □ 学校選びは人の評判の「良い悪い」より、自分に「合う合わない」が大事。複数の学校に合格して迷ったら、他人の評価や動く数字でなく価値観を優先して。最後は子ども自身に決めさせる。(入学後、思い通りにならないことは必ずあります。そのとき、乗り越えられる子は自分で選んできた子です。自己決定がお子さんを成長させます。)受験期間中、お父さん、お母さんの一番の仕事は、「笑顔でいること」です。 40数年、この世界にいてしみじみ思うことは3つです。 「受験のその後の人生は長い」 「入学することになった学校がその子にとって一番いい学校」 「結果がどうあれ、受験勉強の過程で得た財産は消えない」 試験が終わったら、どうか笑顔で、これまで頑張ったお子さんとご自分自身をねぎらってあげてください。受験生の皆さんが、落ち着いてこれまで努力した実力を発揮できるよう祈っています。

READ MORE
白ばら日記

被服部活動報告・卒業生から・始業式表彰

3学期がスタートしました。生徒たちの元気な声が校舎中に響いています。 2学期に行われた被服部の活動について、担当の丸山より報告がありました。 以下です。 品川区で開催された「エシカル消費イベント」にて被服部がファッションショーを行いました。 2年前、ブランディア様とコラボレーションして取り組んだ「 廃棄0プロジェクト」で製作した浴衣をご紹介すると共に、被服部の活動についてもスライドを用いてご説明しました。 品川区長の森沢様も見に来てくださり、 生徒たちに温かいお言葉をいただきましたし、品川区でアップサイクルに取り組む企業・ 団体の方もご挨拶に来てくださり、また新たなプロジェクトに繋がっていく可能性もありそうです。 最近は卒業生の活躍を耳にする機会が増えてきました。 *冬休み中に、OECD勤務から一時帰国をしていた卒業生から一部執筆した書籍をもらいましたので紹介します。 世界で花開く日本の女性たち 国際機関で教育開発に携わるキャリア形成(東信堂) 加藤さんは、2018年よりOECD教育スキル局の高等教育政策チームで、政策アナリストとして働いています。 *ジェンダー平等の実現に向けて若者の声を届ける活動をしている卒業生から、3月にニューヨークの国連本部で開催される国連女性の地位委員会 に参加するためのクラウドファンディングの案内が来ました。品女は女性に参政権のない100年前に女性の活躍する社会を目指し、創立されました。現在は、そうした活動をする人たちの高齢化が課題だそうで、彼女の参加しているジェンカレでは、多様な若者が国際会議に参加し、 各国の取り組みから学ぶことで、 日本のジェンダー平等推進を後押しするプロジェクトを発足しました。若者の声を国連や日本政府に届けることで、 政策や社会変革への具体的な貢献を目指すとのことで、私も協力しています。 メールにはこうありました。 「品川女子学院で6年間育てていただいた経験は、私自身がジェンダー平等に関心をもち、より女性が生きやすい社会を創りたいと思う大きなきっかけになりました。5年生でur preciousを立ち上げた際にも、先生方にたくさん助けていただき応援していただいたことでエンパワーされましたし、今でも原動力になっています。品女の後輩のためにも、ユースとしてのCSW69参加、そして日本のジェンダー平等推進へ、しっかりとした道筋を私が作りたいと思っています。」 在学中の起業体験プログラムやCBLでの社会課題解決の活動が大学へまた、就職後へとつながってきつつあります。 ▼プロジェクトの詳細はこちらhttps://camp-fire.jp/projects/ 809415/view *昨年登壇したあすか会議2024の様子がHPで公開されましたので紹介します。 「アントレプレナーを生み出す教育~これからの時代の人材育成の手法を考える~」漆紫穂子×水野雄介×山口文洋×鈴木寛 【知見録記事URL】https://globis.jp/article/tuno 2ju4_k/ 【Youtube】https://youtu.be/aTj4fZ7hpVo 3学期始業式の表彰です。 <中等部表彰> 【書道部】第23回岐阜女子大学全国書道展 優秀賞 第23回岐阜女子大学全国書道展 秀作賞 第23回岐阜女子大学全国書道展 努力賞 第40回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会 銀賞 【演劇部】第66回 東京私立中学高等学校演劇発表会 優秀賞 【個人】Public of The Year 2024 学術・文化部門  <高等部表彰> 【ECC部】第10回PDA高校生即興型英語ディベート全国大会2024予選4位、ベスト8 第10回PDA高校生即興型英語ディベート全国大会2024ベストディベーター賞 第10回PDA高校生即興型英語ディベート全国大会2024ベストPOI賞 第27回東京都高校生英語ディベートコンテストThird Best Debater Prize 第27回東京都高校生英語ディベートコンテストThird Best Debater Prize Novice Practice Cup 2024Best Judge Adjudicator Prize Novice Practice Cup 2024Best Debater Prize Novice Practice Cup 2024Excellent Debater Prize 【書道部】第23回岐阜女子大学全国書道展 奨励賞 第23回岐阜女子大学全国書道展 優秀賞 第23回岐阜女子大学全国書道展 秀作賞 第23回岐阜女子大学全国書道展 努力賞 第40回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会 大会奨励賞 第40回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会 特選 【演劇部】第66回 東京私立中学高等学校演劇発表会 優秀賞 【CBL】PEP 学生政策起業コンテスト 最優秀賞

READ MORE