PRODUCED BY 品川女子学院
白ばら日記

2020文化祭③

文化祭の続き、ラストです。

高等部では、起業体験プログラムを行います。こちらも、社会課題の解決につながるような、商品開発、企画を実施します。

4A Gluck
人それぞれの幸せの”カタチ”を応援します。

4B Merci place
ありがとうを言葉で伝えることでコミュニケーション不足を解消する。

4C Happy Life Koji
今から1年後、1ヶ月後、明日のあなたが今日よりも幸せでありますように

4D NARMANER
日常に日本文化を。私たちは世界に愛される日本文化を未来へ繋げ、日本文化の魅力を追求します。

4E #おふろじかん
心が美しいそこのあなた!最上級の自分に会いにいきませんか?

5B Go! green Taste
オシャレに環境保護~あなたのファッションで地球を守ろう~

5C WISH
歩かなくなってしまった現代人が歩くことに楽しみを見つける機会を提供します。

5E Relay
子孫にきれいな地球を渡そうー私達が繋げるプラのバトンー

 

 

起業体験の表彰式の様子です。これは、私が撮りました。 

教頭からの講評

今年度は、厳しい環境の中、各クラスともよく考えたチャレンジをしていました。その中でも、広報力、企画実行力、展示力、業績力の各部門の上位は入賞クラスにほぼ集中する結果となりました。そこで、総合1位から3位までのクラスをそのまま表彰し、1位のクラスを最優秀賞と致します。

まず、総合第3位は、4年Cクラスです。

社会状況に即した企業理念から、美容にも、食事にも使える「麹パウダー」という商品に目をつけた点がまず成功のポイントだったと思います。そして、そのあまりなじみのない商品について、店内で活用方法をわかりやすく紹介できたことで、この結果につながったと思われます。QRコードですぐYou Tubeにアクセスして動画を見られるようにしたこと、麹の情報をまとめて見られるサイトを作ったことなど、優れていました。強いて言えば、「心を綺麗にする」という点のアピールが少し弱かったと思います。ただ、業績力は文句なしの第1位で、株主への配当も十分なものでした。事業規模を縮小せざるを得ないということで販売数を減らしたわけですが、結果的にはまだまだ売れたと思われる状況でした。そうした観点で考えれば、たいへん優れた企業運営でした。

次に、総合第2位、5年Eクラスです。

タピオカドリンクのゴミの問題から環境問題に取り組むなど、身近な問題をうまく題材にして起業体験を行なっていました。ゴミの問題・各自治体の実際のゴミの分別の事情などをよく調べ、上手にまとめた展示で来場者に伝えることができていたと思います。日本にはない、100%再生プラスチックによる製品の紹介や、工夫されたゲームを通して、プラスチックのリサイクルなどについて考える機会を顧客に提供できていました。来場者の導線の変更、タームごとに区切った販売など、オペレーションの改善も優れていたと思います。評価の観点であるすべての項目で、安定して高得点を獲得するという、非常にバランスのよい企業運営だったと言えるでしょう。発表していた、これからのステップの実行に期待しています。

最後に、総合第1位は、4年Dクラスです。

商品コンセプトが明確で、社長・社員の企業理念から商品についての説明も一貫性があり、たいへんわかりやすいものでした。「日常に日本文化を」という企業理念を、なんと言っても完全にオリジナルの商品で提供できたことは、本当に素晴らしかったと思います。オリジナル商品に取り組んだ製造工程の映像などは、企業理念のアピールで終わらず、商品の価値を高める良い展示でした。運営面においても、1日目の時間内に営業を中断してでも改善を図ったことなど、PDCAのサイクルの早さも素晴らしいと思います。それは、社長ノートに記されていたように、当日までの過程の中で常に社長が意識し続けていたことに加えて、社員全体にそうした意識が浸透していた結果だと思われます。また、カレンダーのみでは「赤字」となってしまうという危機を、定価の変更ではなく、企業の方に協力していただき、絵本を作ってもらうことで乗り越えた点は、判断が難しいところですが、協力企業の十分なPRと引き換えになっていたのであれば、一つの工夫と言えるように思います。ただ、唯一惜しかった点は、株主総会でも指摘があったとおり、「校正」というステップを飛ばしてしまい、品質管理に問題があったところです。実社会であればすべて返品になるところでした。もっとも、そうした重大な反省点を含みながらも、トータルで非常に優れていて、来年度以降に様々なヒントをもたらす運営であったと思います。

賞に入らなかったクラスも、それぞれに工夫と努力が有りました。4年生はこの経験を来年度に活かし、5年生はCBLにつなげて、さらに挑戦を続けてほしいと思います。