今年もあとわずか
今年、創立 100年の節目にご縁を感じることがありました。それは、西園寺公望展でのことです。 本邦初公開の第二教育勅語草案( フランスに10年留学し、自由主義思想やフランス文化に触れ、国際協調の基盤を作った公が、教育勅語が排外的ナショナリズムに利用されていることを憂慮して 作ったもの。実際には公開されず)が展示されると聞き、見に行きました。 そこには女子教育を盛んにして、女性の地位を高めることの必要性が説かれていました。他の資料にも女性が立憲政治に関心を持つことの必要性が書かれて いました。 創立者漆雅子は西園寺公が関わった日本女子大に通っており、また、その父の漆昌巌は立憲政友会に所属していて、西園寺公が内閣を成立させた原敬と親しかったので、公と面識はあるに違いなく、本校の創立の理念にはこの影響もあったのかなぁと思いを巡らせました。 写真は、学校から見える御殿山。原敬の邸宅があったそのすぐ裏の庭園です。御殿山は今も北品川の紅葉と桜の名所です。 漆昌巌は、原敬から、長寿の祝いの会の幹事を頼まれたとき、「お祝い事は一時、その費用を教育に使えばその効果は未来に続く」というようなことを言って、地域の公教育に使ってしまったという逸話が残っています。 旧校舎3号館ベランダの白ばら 一学年、一学年、この学校の灯をつないでくれた卒業生の集う行事は、100年の歴史を感じる日でもあります。 年明けには、20歳を祝う卒業生の会も行われます。工事期間を過ごした子たちですので、新しい校舎で晴れやかなひと時を過ごしてほしいと思っています。 11月8日には、28歳ホームカミングデーが開催されました。28projectの集大成として開催する卒業後10年目のイベントです。 卒業生に伝えたいことはすべて『働き女子が輝くために28歳までに身につけたいこと』に込めましたが、その年その年の思い出があります。この子たちはコロナ禍で様々な制約があり、その困難を乗り越える工夫をしていた学年です。 ひとつ前のブログで昭和の白ばら新聞を紹介しましたが、100年の間には本当にいろいろなことがありました。(もちろん、聞いた話もありますが)これまで2万人をこえる卒業生を送り出してきましたが、まだまだ、女性活躍の土台作りのため、私たちが果たさなければならない役割は大きいと再認識する一年でした。 二学期終業式の部活表彰です。学習、行事、部活、そして起業体験やCBLなどの課題解決活動、そして個人の研究と品女生はマルチタスクで大忙しです。 今年もあとわずか。皆様が、穏やかな新年を迎えられますように。 <中等部表彰> 【ECC 部】・第 15 回全国中学生英語ディベート大会Best Defense SpeakerExcellent Debater Prize 【軽音楽部】・パワードリーム MUSIC FESTA 2025夢さん橋 大賞 【書道部】・第 41 回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会特選金賞銀賞銅賞 ・第 24 回岐阜女子大学全国書道展優秀賞秀作賞努力賞 ・第 23 回和洋女子大学競書大会金賞銀賞 <高等部表彰> 【ECC 部】・第 5 回高校生英語ディベート南関東ブロック大会Excellent Debater Prize ・第 28 回東京都高校生英語ディベートコンテスト個人1位 ・第 28 回東京都高校生英語ディベートコンテスト 1位 ・The 7th Inter-prefectual Tournament Make Friends Cup 6位【書道部】・第 41 回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会大会奨励賞 特選金賞 ・第 24 回岐阜女子大学全国書道展奨励賞 優秀賞 秀作賞 努力賞 ・第 38 回東京都高等学校文化連盟書道展奨励賞 【バレーボール部】・東京都学校体育連盟主催 令和7年度新人選手県予選大会2位 【弓道部】・全日本弓道連盟昇段審査初段
2学期終業式(20251222)
1ヶ月半ほど、記事の更新を停止しておりました。学期の終わりの節目に、今日から再開させていただきます。 よろしくお願いいたします。 中等部終業式では、合わせて12人が壇上に上がり、表彰されました。 それぞれの活躍に皆で拍手を送って、1年を締めくくることができました。 たいへん嬉しく思っています。 *** 以前記事にしましたホームカミングデーのパネルを、2次会の会場からいったん持ち帰ってくれた卒業生が、改めて校長室まで届けに来てくれました。 「裏を見られないように、電車の中で苦労しました。」 パネルの裏を見てみると、幹事さんたちからの手書きのメッセージが書いてありました。 確かに、知らない人に見られたら、ちょっとね(笑) でも、私はこれで「元気100倍」です。 ありがとう。
終業式
今日は2学期の終業式でした。11月の朝礼で予定していた新留学生の挨拶と各クラブの表彰で時間は一杯。私からは少しだけ卒業生の話をしました。 毎回そうなのですが、生徒が賞状を受け取ると客席から盛大な拍手が起こります。他人の名誉でも我がことのように祝福してくれます。壇上の生徒を見ているとその瞬間が本当に嬉しそうです。 卒業生の話の部分でも伝えましたが、この学校の生徒は、自ら行動を起こす生徒が多いと同時に、サポートに回る時にはそれに徹してくれます。シンプルなことですが、こういう姿勢をこれからも大切にしてほしいと思います。 *これを書いていたところに、ちょうど合唱祭実行委員が当日の校長挨拶の依頼に来ました。例年のことなのですが、毎年文書を持って直接来てくれます。実行委員はサポート役の典型ですが、こういうバックアップがあるからこそ、本校では生徒が行事を思い切り楽しめるのだと思います。
白ばら新聞
しばらく更新を控えておりましたブログを本日より再開します。皆様にご心配をおかけし申し訳ありませんでした。これからも生徒第一、スピード重視、オープンな姿勢を大切に、学校運営をしてまいります。 ここに、昭和38年1月19日発行の『白ばら新聞』があります。当時の校長だった漆光の「増改築をおえて」を要約してご紹介します。 ・・・考えてみれば中々楽な道ではなかった。5年前に第1期校舎の落成式が行われた際、本校が幸にも戦火を免れたために却って他校に比して校舎整備の点で立ち遅れた点を指摘された方があったが、私もそう感じていた。しかし、本校はこれで良かったと思う。外容の美観は遅れても、数育の場として内容の充実が優先するからである。今誇りをもっていえることは100年の大計を考えながら、同時に現在の生徒の学習に著しく犠牲を強いなかった点である。つまり目標を高く掲げながら現実に目をそらすことは極力避けるように心がけて来たことである。 こうした本校にとっては大事業といえることを、とにもかくにもやり通すことは多くの人々の援助なしでは到底出来るものではない。実は自分の力のみで成し得たと信じていることでも、子細に考えていくと多くの人の援助の御陰がなかったら到底果し得なかったであろうことが解るものだ。理想は高く大きな夢を持つことは結構である。しかし私は目前の現実に対しては如何にさ細なことでも勇気をもって誠実に処理していくことがさらに肝要であると思うのである。人に迷惑をかけつづけながら成功した人もあるかも知れない。しかし私はそのような人を高く評価しない。一見してとるにたらぬように見える日常茶飯事でも私達は大切に誠実に取扱うべきである。 芥川龍之介はその著「侏儒の言葉」の中で「瑣事」と題して次のように述べている。「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ……しかし瑣事を愛するものは瑣事のために苦しまなければならぬ」 私達の日常生活を幸福にするためには誠に日々の瑣事を大切にしなければならない。たとえば日々の夕の食卓、これはもはや重大なこととはいえない。しかし、私達の生活を豊かなうるおいのあるものとするためにはこれ程大きな意義を持つものも少ない。同時に、このような日常茶飯の出来事も常に楽しいものとするためには、私達の平生の心がけが如何に大きく関係してくるかは誰しも肯定せざるを得ないであろう。 本校の教育方針に「円満な社会常識の養成」ということが述べてある。常識のある人は人に迷惑をかけない。誰にもこれは自明の理である。しかし常識は常に一定の場所に停滞してはならない。私達は年と共にさらに高度の常識を具えなければならない。故に私達は絶えざる勉強が要請されるのである。かつてあなた方に話したことであるが、文豪森鴎外が「人間生まれながらの顔を持って死ぬのは恥だ。」といったのもつまりは同じことをいっているのではなかろうか。 素晴らしい校舎が出来て私はうれしい。あなた方も同じく喜んでいることであろう。しかし問題はこれからだ。理想はあくまで高く、しかし目前の現実はさ細なことでも大切に、誠実に処理して、そして一歩一歩私達は自己を高めていくように努めなければならない。 このように私は考え、そして本校の生徒諸君は、過去において卒業生諸君がそうであったように、一人残らず良識をもって、そのような方向に邁進されることを切に期待してやまない。 私が子供の頃、今の校舎の土地の中には何軒もの民家がありました。祖父は私の手を引き、一軒一軒訪ねては、土地を譲ってほしいとお願いして回りました。創立100年となった今年、15年の建築期間を経て竣工した校舎を見上げ、あの時、なぜ祖父が私を連れて歩いたのか、わかるような気がします。 私の使命は、みんなの力で100年守ってきた学校を次の100年へと繋いでいくことだと思っています。
YOMOCA12月号

YOMOCA12月号を配付しました。 ブログで公開している表面には、冬休み貸出、冬休み中の図書室の予定、図書委員広報班生徒のおすすめ本が載っています。 年内は冬期講習のある12/27(土)まで、年明けは始業式からの開室です。 保護者面談日も8:00~16:00で開室しています。お気軽にお寄りください! ここでは公開していない裏面は新着図書とまちがい探しです。 紙の本も冬休み貸出で長く借りられますが、お休み中の思い立った時にすぐ借りられるので電子書籍もおすすめです! ぜひ新着図書をチェックしてみてください。 図書室 伊達木
クリスマスツリー

生徒下校後のひっそりとした図書室で輝くツリー(この後タイマーで消灯します) 先ほどまでは期末試験の勉強をする生徒でいっぱいでした。 B棟3階に大きなツリーが飾られていますが、図書室も少しコンパクトなツリーを11月末から出しています。 司書がツリーを組み立てて、飾り付けは図書室を訪れた生徒たちにお願いしました。 「自由にやって良いんですか!?」と確認してくれる人、 貸出ついでに良かったら飾っていってと伝えたら「やるー!」と喜んでくれた人、 友だちとバランスを相談しながらオーナメントを付けてくれた人、 たくさんの人が少しずつ飾り付けてくれて、とっても良い感じです。 図書室 伊達木
特別講座(20251111)
東京都生活文化局から講師の方をお招きしての特別講座、2回シリーズの1回目を実施しました。 テーマはアンコンシャス・バイアス。 東京都が多様な取り組みをされていることが、生徒の皆さんにも伝わったのではないかと思います。 私も久々に議論のファシリテートをして、楽しい時間を過ごしました。
掲示板(20251110)
4年生CBL(Challenge Based Learning)で、各班が情報発信をする専用の掲示板。 人通りが多く、特に中1生と高校1〜3年生は、登校時にほぼ必ずこの前を通ります。 校内イントラネットに流すより、場合によっては目立つかもしれませんね。
ホームカミングデー(20251108)
卒業後十年の同窓会です。 縁の深い学年なので、2次会まで参加させてもらいました。 十年一昔。 仕事も私生活も皆さん様々ですが、枝分かれして広がっていったその根っこに品女生活があるのだとしたら、こうやって皆で「根っこ」を懐かしむ機会もいいものだな、と思います。 「人ごみに流されて 変わっていく私を あなたはときどき 遠くでしかって」荒井由実『卒業写真』 2次会の締めの挨拶で皆さんの顔を見渡したとき、「根っこ」を確認できたのはむしろ私の方だと思いました。 皆さんありがとう。 (会場入口の看板も卒業生が作ってくれました。校長室に飾っておくことにします。)