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白ばら日記

「DEI」を知っていますか?・教育関連記事などお知らせ

先週、夜の説明会を行いました。感染防止のため入校証を手首につける使い捨ての紙のものにしたところ、お帰りの際、それを右手につけている方が左手でハサミを持つと、切れないことに気づきました。ハサミは右利き仕様になっているのです。右利きの私には普段気づかないことで、はっとしました。

本校では、全学年がミライロユニバーサルマナーの研修を受けています。その研修の中で垣内社長がおっしゃった「障害は環境によって生み出される」という言葉を思い出しました。

利き手が右でも左でも、大きな違いはないはずですが、世の中に右利きの人が多いため、様々な道具や施設が右利き仕様になり、結果として、このはさみの例のように、左利きの人には使いにくい、使えないということが起きてしまいます。

以前、ダイアログ・インザダークの施設で研修を受けたことがあります。視覚障害者の方の案内で、暗闇の中で様々な体験をするというものです。光のある環境の中では、視覚がないということが障害となりますが、暗闇の中では、それが逆転し、光に頼って生活している私は、手取り足取り案内してもらわないと動けないことに気づきました。

垣内さんの、「障害教育は周りの教育が大切」という言葉が心に残っています。

そのミライロのメルマガで、「DEI」をご存知ですか?というものがありました。

なるほど、と思ったので皆さんにシェアします。概要は以下です。

多くの企業が「ダイバーシティとインクルージョン」を推進する中で、「DEI」という考え方が出てきている。
Dはダイバーシティ(多様性)、Eはイクイティ(公平)、Iはインクルージョン(包容、受容)の頭文字。

「平等」を意味する「イコーリティ」ではなく、「イクイティ(公平)」という言葉を使っているのは、「平等」が、すべての人に区別なく接すること、つまり、人によって対応を変えるのではなく、誰にも等しい対応をすることであるのに対し、「公平」は、他の人と同じ物や機会を提供されても活用できない状況にある人に対して、不利にならないような支援や配慮を行うことを意味するから。

どの用語を使うかは、本質的な課題ではなく、「DEI」の「E」の観点から障害者のインクルージョンを考えてみることは、真の意味で公平な機会が提供できているかを問う機会になるのではないか。

右利き用のハサミだけが置いてあっても、左利きの人は活用できない。そんな身近な事例はきっと数知れずあるのでしょう。

*教育ジャーナリストのおおたとしまささんが『21世紀の「女の子」の親たちへ』を出版し、その記事が日経オンラインに掲載されました。私もインタビューに答えています。
他者のために挑戦せよ 有名女子校「やる気」の教え方

*本日、英語科の山根が、以下のウエブイベントに出演し、本校のオンライン教育について語ります。
グローバルパートナーズ、オンラインイベント「英語教育×EdTech」

*本校でメディアリテラシーの特別講座をしてくださったことのある フジテレビ解説委員の鈴木款さんが東洋経済オンラインで中国と日本の英語教育の比較の連載を始めました。
以前、生徒を中国の教育視察研修に引率したことがあるのですが、その際、生徒が言った言葉を思い出しました。 このときのことを当時連載していた新聞のコラムに書きました。