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白ばら日記

全校オリエンテーション、大学出張授業【日本女子大学・芝浦工業大学】

 

今日は全校オリエンテーションでした。
私は、1年生と4年生でお話ししました。

 

午後は、1年生と写真撮影。
主任が晴れ女(自称)なので、 ポカポカと気持ちのいい天気でした。
この子達が6年後、どんな姿に成長するのかなぁと思うと、 笑顔になります。

 

 

大学出張授業の様子を担当の窪田と中山から報告します。

 

「特別支援教育とインクルーシブ教育」というテーマで、日本女子大学人間社会科学部教育学科の特任教授である宮井和惠先生に、リモートで講義をしていただきました。

特別支援教育とは障害を持つ子どもの教育のことをいいますが、障害があるかどうかにかかわらずそもそも人間は違うものなので、教育そのものの大前提にもなります。

インクルーシブ教育とは、多様性を尊重するということを前提に、障害を持つ子どもが自由に社会に参加できることをめざし、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶという教育のシステムのことで、2012年から制度として推進されています。

具体的に、問題行動をとる子どもへの対応はどうしたらいいのでしょうか。

私たちは「問題点を小さくする」という方向で考えてしまいがちですが、どんな人間にもいいところがあります。そのいいところを大きく広げることで、問題点が占める部分が小さくなるのです。「いいところや得意なところを大きくする」という考え方で問題解決にあたることが大切です。

考え方を理解するために、参加生徒同士で「リフレーミング」をしました。「短所を長所に言い換える」という練習です。最初に具体例の練習をした後、「自分の短所」を書いたものを近くの人と交換して、それを同じ方法で実践しました。

特に自分の短所が長所に言い換えられた時の喜びは大きく、子どもの立場に立つという経験ができました。また、自分は違った視点もあることが確認でき、様々な物の見方があることもわかりました。

問題行動を起こす子どもはいつも叱られてばかりいるため、リフレーミングをすることで自信がもてるようになります。そして、問題行動という形で見える部分は氷山の一角であり、その背景の大きな部分は見えないところにあるので、それを探ることも大切です。

障害などが原因でできないことがあるとやる気がなくなり、問題行動をとることもあるので、ユニバーサルな教育をすることが大切で、それは健常者にも効果があります。集団の中で違っていることを責め合うのでなく、違いを認め合えるようになっていきます。

生徒は真剣に話を聞き、積極的に活動をしていました。最後の質疑応答には多くの質問が発せられました。参加者には教員志望の生徒が多く、教育とは何かということを新しい視点で考えられて充実した時間でした。そして教員になってからの、さらに先の世界が見えたようで、意欲を新たにしていました。

 

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芝浦工業大学の井尻敬先生に,zoom形式で「研究分野としてのコンピュータグラフィクス」をテーマにご講義いただきました.

①     大学で学ぶ情報科学・情報工学とは

「『情報』の『仕組み』を研究する学問分野」であるということ.ここでいう『情報』とは映像,音声,文章,電気信号,遺伝子など,全てのデータのことをさします.『仕組み』とは情報を表現・記録・伝達・変換・理解する方法のことをいいます.また,情報学は『計算機』の使い方を研究する学問分野でもあるということ.

以上2点から,急速に発展する計算機を何に使いますか?との問いかけがありました.

②     研究分野としてのCGについて

CGの研究領域は多岐にわたっており,その例を動画などを用いてお話しくださいました.その際に数学(線形代数・微積・確率統計)などは必須であること.そして論文は英語なので英語も必須であること.そして,論文執筆や国際的にコミュニケーションをとることなどの観点から人文系科目も重要…つまり,高校での学習はどの科目も重要であるというお話がありました.

③     情報工学科や研究の紹介

芝浦工業大学工学部情報工学科では3年生校旗から研究室に配属されて研究に従事することになっており,さまざまな分野の研究室があります.(ネットワーク,IoT,プログラミング言語,人工知能,言語処理,データ工学,画像処理,スポーツ工学,社会福祉,離散数学…など)

例としてCTと写真を利用した花・昆虫の3次元モデリングの研究についてご紹介いただきました.

最後に先生から,

1次・2次・3次産業のどれを見ても計算機が必要不可欠(農業生産効率化,品質管理,CAD,自動運転,行動予測…)であり,どこでも必要とされる,つまり,コンピュータは社会の主役であること.また,情報系は医療やスポーツ、博物館,映像制作などさまざまな分野の研究開発に参加することができることなどをお話しくださいました.

井尻先生,貴重なお話しをどうもありがとうございました.