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「世界は多様性を必要としています」

 

5年前に生徒の作った本校のポスターです。「世界は多様性を必要としています」という言葉が、今、胸に刺さります。

ロシアによるウクライナ侵攻は生徒達の目にどのように映っているのでしょうか。

21世紀になり、地球上の問題を国を越えて考えなくてはいけない時代に、コロナ禍で防疫は全世界格差なく行わなければならないことを学んだときに。

そんなときに大人たちが起こしているこの争い事を、当事国の、そして世界の子ども達はどう見て、どう感じているのか、それは彼らの将来にどんな影響があるのか、それを思うと暗澹たる気持ちになります。

あるとき、人から、こんなことを聞かれたことがあります。

「正義の対義語はなんだと思う?」

答えは、「もう一つの正義」だそうです。

地政学的、歴史的、文化的、宗教的背景を知れば、それぞれの国にそれぞれの主張があり、個人にも一人一人の価値観があることが分かる。知識を得、エンパシーを高め、理解を深める。そして、違いを認め互いを活かし合う。それが、生徒がポスターに込めた「世界は多様性を必要としています」の意味なのではないでしょうか。

どんな背景があったとしても、武力で領土や人の命を奪うようなことはあってはならないことです。そんな当たり前のことが当たり前でなかったことを目の当たりにして、私自身も混乱しています。

しかし、どんなときも、学校という場所は、常に未来志向でありたい、未来を託す子ども達の目線で物事を見たい、その軸だけはぶらさずにいたいと思います。

私たちの学校は、震災の復興時の貢献活動を元に作られた学校です。戦中戦後を通して、平和を願う校歌を変えずに来ました。与謝野晶子が校歌に託した

「我ら、平和の使い、ともに優しきこころ、おこない」

この思いを大切に、今、できることをしていきたいです。

 

2022.3.05 [その他,世界]